【看護師向け】履歴書の職歴欄の書き方17のポイントと例文集
「転職活動で履歴書を書くたびに、職歴欄の書き方で迷ってしまう…」そんな悩みを抱えていませんか?
とくに看護師の場合は、病棟や診療科の違い、異動の多さ、ブランクの有無など、記載に悩むポイントが多くあります。
実際、職歴欄は採用担当者がもっとも注目する項目のひとつ。内容次第で、書類選考の合否が分かれることも少なくありません。
この記事では、そんな職歴欄の不安をスッキリ解消できるよう、以下のような情報をまとめています。
- 採用側がチェックするポイント
- 西暦・和暦の統一や「以上」の使い方など基本ルール
- 部署異動やブランクがある場合の記載例
- 印象を良くするためのフォーマット選びやPDF化のコツ
- 内定につながる職歴欄の具体例と書き分けのコツ
「履歴書の職歴ってどう書けばいいの?」と迷ったとき、この記事を読めば自信を持って応募書類を提出できるはずです。
看護師が履歴書の職歴欄でチェックされるポイント
採用担当が重視する3つの要素
履歴書の職歴欄は、看護師の採用において非常に重要な判断材料のひとつです。なかでも採用担当者が注目しているのは、「勤務期間」「勤務先の規模・種類」「経験した業務内容」の3点です。
- 勤務期間が長いと、継続力や職場適応力の高さをアピールできます。
- 大学病院やクリニックなど勤務先の種類によって、評価されるスキルや経験も異なります。
- 病棟、外来、オペ室など、どの業務を担当してきたかで職務適性が判断されます。
こうしたポイントを押さえて職歴を整理すれば、自分が職場にどのように貢献できるかを明確に伝えることが可能になります。
「職歴の伝え方が漠然としてしまう…」という方は、応募先で求められている人物像と照らし合わせて取捨選択するのが効果的です。
病棟・診療科経験など看護師ならではの評価基準
看護師の職歴は、業種・業界以上に「どの診療科でどんな役割を担っていたか」が問われます。とくに採用担当者は、応募者が即戦力として活躍できるかを判断するため、配属先の詳細な経験に注目しています。
たとえば、内科病棟での慢性疾患対応、外科病棟での術前・術後ケア、小児科での家族支援など、それぞれ異なるスキルが必要とされるため、具体的な職務内容まで記載することで評価が高まります。
さらに、ICUやERといった高度医療の現場にいた経験や、リーダー業務、プリセプターの担当歴も重要なアピール要素です。
- 配属病棟の診療科名は正式名称で記載する
- 患者層や症例数なども簡潔に盛り込むと◎
- チーム医療、他職種連携の経験も好印象
単に「○○病棟勤務」と書くだけでなく、どんな役割を担い、どんなスキルを磨いてきたのかを記載することで、より具体的な評価につながります。
「業務内容ってどこまで書けばいいの?」と迷う方は、1〜2行の簡潔な説明で十分です。詳細は職務経歴書に譲ってOKです。
職歴欄の基本ルールと書き方ステップ
西暦・和暦を統一する記入例
履歴書の職歴欄では、日付の表記を「西暦」または「和暦」のいずれかで統一するのが基本マナーです。途中で形式が混在していると、読み手に違和感を与えてしまいます。
どちらを選んでも構いませんが、最近では「西暦」が主流です。特に転職活動で複数の企業に応募する場合や、職務経歴書と併用する場合は西暦のほうが見やすくなります。
- 西暦:2020年4月 ○○病院 入職
- 和暦:令和2年4月 ○○病院 入職
「昭和=S」などの略記や「〃」などの省略表記は避け、すべて明記することが大切です。
「途中で和暦に変えたくなった…」という場合も、履歴書はすべて統一が原則です。変更する際は履歴書ごと書き直しましょう。
病院名・部署名・配属先の正式名称の書き方
職歴欄では、勤務していた病院名や法人名、部署名を略さずに正式名称で記載することが求められます。たとえば「市民病院」ではなく「○○市立○○市民病院」、「整形外科病棟」ではなく「整形外科病棟(一般病棟60床)」のように、情報を具体的に記載すると丁寧な印象になります。
- 医療法人名がある場合は省略せず記載
- 同じ病院でも複数の部署がある場合は部署名も記載
- 「入職」「異動」「退職」の経緯は年月とともに明記
読み手にとっては、他法人・他施設の事情は不明なことも多いため、略称や通称の使用は避けましょう。
「病院名が長くてスペースに収まらない…」という場合は、職務経歴書で補足するのが適切です。
退職理由の書き方と「一身上の都合」の使い方
履歴書の退職理由には、「一身上の都合により退職」と記載するのが一般的です。個別の事情に触れる必要はなく、簡潔で問題ありません。
ただし、職歴欄で退職理由を明記するのは任意です。あえて書かずに職務経歴書や面接時に説明する方法もあります。
退職理由の例:
- 2022年3月 退職(契約満了)
- 2023年9月 一身上の都合により退職
ネガティブな事情(人間関係、体調不良など)が理由であっても、履歴書ではオブラートに包んだ表現で構いません。
「正直に書くべき?」と悩む方もいますが、詳細は面接で伝えるのが適切です。履歴書ではマナー重視の記載を心がけましょう。
「以上」で締める理由と正しい書式
履歴書の職歴欄の最後には「以上」と記載するのがマナーです。これは、「ここで職歴情報の記載が終わったこと」を明示するための書式です。
職歴が1つであっても、「以上」を忘れず記載することで、全体の印象が整います。
記載例:
2020年4月 ○○病院 入職 2023年3月 一身上の都合により退職 以上
手書きの場合は左寄せ、パソコンで作成する場合は下行の余白を利用してバランスよく配置しましょう。
「最後に何を書くべきかわからない…」と迷う方は、「以上」で区切れば間違いありません。これで読み手にとっても読みやすい書類になります。
ケース別Q&A|こんなときどう書く?
職歴が多くて欄に収まらないときの対処法
転職回数が多い看護師の方は、履歴書の職歴欄にすべての経歴を書ききれない場合があります。その際は、履歴書には要点のみを記載し、詳細は職務経歴書で補足するのが一般的です。
- 3社目以降は「職務経歴書に記載」と省略してもOK
- 最終職歴だけは必ず履歴書に記載する
- 職歴が途切れないように時系列を守る
履歴書にすべてを書こうとすると、逆に見づらくなることも。見栄えを保ちつつ、必要な情報を補足できる工夫が求められます。
部署異動・病棟異動が多い場合の記載方法
同じ病院内での異動が多い場合でも、それぞれの経験を丁寧に伝えることで、柔軟性や適応力をアピールできます。異動のたびに改めて年月を記載し、部署名と簡単な業務内容を明記するのが効果的です。
記載例:
2019年4月 ○○病院 入職 一般内科病棟に配属 2021年4月 同院 外科病棟へ異動 2023年4月 同院 ICUへ異動
履歴書スペースが足りない場合は、「院内異動多数、詳細は職務経歴書参照」と記載しても差し支えありません。
法人名・病院名が変更された場合の書き方
勤務中に病院名や運営法人が変更された場合は、当時の名称と現在の名称の両方を記載しておくと、採用側の混乱を防げます。
- 当時の名称(現在:新名称)と明記する
- 改称のタイミングも記載できるとより丁寧
記載例:
2017年4月 医療法人ABC あさひ病院(現:医療法人XYZ ひかり病院) 入職
名称変更は応募者の責任ではないため、誤解が生じないよう丁寧に補足する姿勢が大切です。
パート・派遣・アルバイト経験を含めるか
パートや派遣、アルバイトでの勤務経験も、看護師としての実務経験であれば職歴として記載可能です。特にブランクがある場合や、勤務期間が長い場合はアピール材料になります。
ただし、短期間の勤務や業務が限定的だった場合は、無理にすべて記載する必要はありません。
- 勤務形態を明記する(例:パート勤務、派遣として)
- 勤務先名・期間・担当業務を簡潔に書く
- 常勤職歴と区別がつくよう記載する
派遣先が複数ある場合は、派遣元と派遣先の両方を書くと丁寧です。
看護師以外の職歴・ブランク期間がある場合
看護師職以外の経歴や、ブランク期間がある場合も正直に記載するのが基本です。とくにブランクについては、理由を前向きに表現することが大切です。
記載例:
- 2018年4月~2020年3月 家族の介護のため離職
- 2020年4月~2022年3月 保育士として勤務
看護師以外の職歴も、コミュニケーション力や対人支援のスキルを示す材料になるため、丁寧に記載することで印象が良くなります。
「空白期間があるとマイナス評価にならないか不安…」という方も、正直かつ前向きな理由であれば問題視されることは少ないので安心してください。
転職回数が多い・短期離職の印象を良くするコツ
一貫性を示すキャリアストーリーの作り方
転職回数が多い場合でも、キャリアに一貫性が感じられれば、マイナス評価にはなりません。重要なのは、過去の経験が現在の志望動機や将来のビジョンにどうつながっているかを示すことです。
たとえば「訪問看護に興味を持ち、在宅医療に関する知見を広げるために複数の現場を経験した」など、職場選びの理由に一貫性があれば、前向きな姿勢として評価されます。
自分のキャリアを振り返り、「なぜその職場を選んだのか」「何を学び、何に活かしたいのか」を明確に言語化することがポイントです。
「転職回数が多いと印象が悪いのでは…」と不安な方も、納得感のあるストーリーを描けば問題ありません。
ネガティブ退職理由をポジティブに変換する方法
人間関係や激務など、やむを得ない理由で退職した場合でも、その経験をどう捉え、どう前進しようとしているかを伝えることで、前向きな印象に変えることが可能です。
- 人間関係 → 「より良いチーム医療を学びたくなった」
- 業務過多 → 「働き方を見直し、継続可能な働き方を模索した」
- ミスマッチ → 「自分に合う領域を模索する過程だった」
大切なのは、愚痴や批判に終始せず、「今後どうしたいか」「その経験から何を学んだか」に焦点を当てることです。
面接で退職理由を問われた際も、こうした前向きな変換ができていれば、安心して話すことができます。
職務経歴書と連動させたアピール戦略
履歴書では概要を、職務経歴書では詳細を、それぞれ役割を分けて記載することで、説得力ある応募書類を作成できます。とくに転職回数が多い場合は、職務経歴書での補足が重要です。
- 職歴の要点を履歴書に簡潔に記載
- 異動歴や業務の詳細、実績などは職務経歴書に分ける
- 自己PR欄や職務要約でキャリアの一貫性を強調
採用担当者が読みやすく、かつ理解しやすい構成になっているかを意識しながら、書類を作成することが内定への第一歩です。
「履歴書と職務経歴書、どう連動させればいいの?」という方は、まず履歴書を「地図」、職務経歴書を「説明書」と捉えて構成を整えてみましょう。
職歴欄が書ききれないときの対処法
別紙(職務経歴書)で補足する方法
職歴が多く履歴書にすべて書ききれない場合は、職務経歴書を「別紙」として活用しましょう。履歴書には代表的な職歴や直近の職場のみを記載し、「詳細は別紙職務経歴書をご参照ください」と一文を添えるのが一般的です。
- 履歴書には3〜5職歴を目安に記載
- 職務経歴書で補足的に業務内容や実績を記載
- 「別紙参照」の文言を明記しておくと親切
職歴の情報が多いほど整理も大変ですが、「応募先に伝えたいこと」に絞って構成することで、採用担当の理解も得やすくなります。
フォーマット変更で可読性を保つコツ
履歴書のスペースが足りない場合、無理に小さな文字で詰め込むより、フォーマットを変更する方が読みやすさを保てます。WordやExcelで作成する場合は、自作テンプレートも検討してみましょう。
ただし、独自フォーマットにする際は、一般的な履歴書の構成や項目順を大きく変えないよう注意が必要です。
- 行間を調整し読みやすくする
- 職歴欄だけ行数を増やせるフォーマットを選ぶ
- 印刷時に切れないようA4サイズで調整
「手書きじゃないと印象が悪いのでは…?」と気にされる方もいますが、現在はパソコン作成が一般的です。読みやすさを優先しましょう。
正しいフォーマットと見栄えアップのテクニック
転職用履歴書テンプレートの選び方
履歴書のテンプレートは、内容だけでなく見た目の印象を大きく左右します。看護師の転職では、職歴欄が広く取られているものを選ぶと記載しやすく、読み手にも優しい構成になります。
たとえば市販されている履歴書では、JIS規格よりも「職務経歴重視型」のレイアウトが適しています。また、ダウンロードテンプレートを使う場合は、フォントの可読性や余白の取り方にも配慮されているものを選びましょう。
自己PR欄や志望動機欄も適度な広さがあると、記入内容を整理しやすくなります。複数の職歴をわかりやすく記載したい方は、テンプレートの選定が成果につながる第一歩になります。
証明写真・用紙サイズ・印刷方法の基本
履歴書の見栄えを整えるためには、証明写真や印刷方法も重要なポイントです。特に看護師職では清潔感が重視されるため、服装や写真の質にも気を配りましょう。
- 証明写真は3ヶ月以内のものを使用
- スーツまたは襟付きシャツ、ナチュラルな髪型がおすすめ
- 背景は白か水色が一般的で清潔感が出る
また、用紙サイズはA4またはB5が基本です。応募先から指定がない限り、どちらでも問題ありません。印刷は家庭用プリンタで行うと、印刷ミスにもすぐ対応できるため安心です。
使用する用紙は、少し厚手の上質紙を選ぶとしっかりとした印象になります。コンビニ印刷でも構いませんが、細部にこだわると全体の完成度が上がります。
オンライン応募用PDF化の注意点
近年ではオンラインで履歴書を提出する機会が増えています。WordやExcelで作成した履歴書は、PDFに変換して提出するのが一般的です。
PDF化する際は、以下のポイントに注意しましょう。
- フォントやレイアウトが崩れないように「PDFとして保存」を使う
- ファイル名は「氏名_履歴書.pdf」のように明確に
- データ容量は1MB以下を目安に圧縮ツールで調整可能
また、スマートフォンで作成した場合でも、必ずPC画面でレイアウトや見栄えを確認しましょう。フォントの大きさや改行のズレが起きていないかをチェックすることで、読み手のストレスを防げます。
採用担当に刺さる職歴欄の例文集
一般病棟から専門領域へ転職する場合
一般病棟での経験を活かし、専門性の高い領域へキャリアチェンジを希望するケースでは、これまでの看護スキルの基盤と、新たな挑戦意欲を伝えることが重要です。
例文:
2018年4月 ○○市立病院 内科病棟 入職 2021年3月 一身上の都合により退職 【業務内容】慢性期疾患患者の看護業務に従事。退院調整や家族支援も経験。
「内科病棟での包括的な看護経験を活かし、今後は緩和ケアに挑戦したいと考えています」といった志向性を履歴書に補足すると、より伝わりやすくなります。
パート勤務から常勤へ転職する場合
家庭の事情や育児などで一時的にパート勤務をしていた場合でも、実務経験としてしっかり記載することで、ブランクを感じさせないアピールが可能です。
- 勤務形態:パート・非常勤など明記
- 期間:就業期間が6ヶ月以上であれば記載推奨
- 業務内容:常勤と同等であれば強調してもOK
例文:
2020年6月 △△クリニック 非常勤勤務(内科外来) 2022年3月 一身上の都合により退職 【業務内容】バイタル測定、医師補助、電話対応などを担当。繁忙期は週5日勤務。
「常勤復帰を希望する理由」も別途志望動機欄で補足するとスムーズです。
ブランクありから復帰する場合
育児・介護・留学などによるブランクがあった場合でも、正直に記載したうえで、復帰に向けた準備や学習意欲をアピールすることで好印象につながります。
例文:
2015年4月 〇〇病院 整形外科病棟 入職 2019年3月 一身上の都合により退職(出産・育児のため) 【業務内容】術前・術後ケア、リハビリ支援、夜勤業務を経験
復職希望の際は、「現在は子育ても落ち着き、勤務体制に柔軟に対応可能です」といったフォローを添えると効果的です。
履歴書と職務経歴書の違いと使い分け
職歴欄と職務経歴書をセットで提出するメリット
履歴書と職務経歴書は、書類選考を通過するうえで互いに補完し合う役割を果たします。特に転職回数が多い方や、業務内容を詳しく伝えたい方にとっては、この2つの書類をセットで提出することが必須です。
- 履歴書:経歴の概要と応募者の基本情報を簡潔に記載
- 職務経歴書:各職場での業務内容や成果、スキルを詳細に記載
- 一貫性のあるストーリー構成により信頼性が高まる
例えば、履歴書では「○○病院 入職/退職」とのみ記載していても、職務経歴書で「新人教育担当として3名を育成」といった具体的な成果を補足すれば、アピール力が格段に向上します。
書類ごとの役割と情報の深さを区別する方法
履歴書と職務経歴書は、同じ情報を繰り返し記載するのではなく、役割に応じて情報の深さや視点を変えて記載することが大切です。
履歴書はあくまで「全体の流れ」を示すためのもの。職歴は時系列に沿ってシンプルに、職場名と所属部署、入退職年月を明記します。一方、職務経歴書では各業務の詳細や成果、身につけたスキルなどを「読み物」として記述します。
たとえば:
- 履歴書:2021年4月 ○○病院 内科病棟 入職
- 職務経歴書:内科病棟にて慢性疾患患者を中心に看護業務を担当。多職種連携や退院調整などにも積極的に関与。
このように記載することで、読み手は応募者の業務理解度や主体性、応用力をより明確に捉えることができます。
「どこまで書けばいいかわからない…」という場合は、履歴書は“見出し”、職務経歴書は“本文”と捉えるとバランスよく書き分けられます。
まとめ:職歴欄の工夫が転職成功を左右する
看護師の履歴書における「職歴欄」は、採用の合否を分ける重要なパートです。
なぜなら、職歴から読み取れる情報は「実務経験」「適応力」「志向性」など多岐にわたり、採用担当者にとって即戦力かどうかを判断するカギとなるからです。
この記事で紹介したポイントを押さえることで、職歴欄の完成度が上がり、書類選考の通過率を高めることができます。
- 職歴は「勤務期間」「配属先」「業務内容」を要点で記載する
- 履歴書と職務経歴書は役割を明確に分けて連動させる
- 異動や名称変更などは丁寧な補足で誤解を防ぐ
- 短期離職・ブランクは前向きに説明すれば印象を損ねない
- テンプレート選び・PDF化・写真など細部にも気を配る
職歴欄は単なる「経歴の羅列」ではなく、自分の強みを伝える「プレゼン資料」です。しっかり準備を整えて、あなたのキャリアを最大限にアピールしてください。