弁護士の転職で履歴書を通過させる12のコツとNG例
「弁護士の転職って、履歴書に何を書けばいいんだろう…」そんな不安を感じていませんか?
法律事務所や企業法務への転職では、面接前の「履歴書」が合否を大きく左右します。しかし、法律の専門性や実務経験をどう伝えればよいのか迷う方も多いはずです。
この記事では、弁護士の転職市場で評価される履歴書の書き方を12のポイントに分けて解説しています。具体的には、
- 書類通過率を上げる履歴書の構成と記載例
- 法律事務所と企業法務で求められる違い
- 志望動機や自己PRの論理的な伝え方
- NG例や見落としがちなチェックポイント
- 履歴書添削に強い転職エージェントの活用法
「どこに応募しても通らない…」と悩む前に、まずはこの記事を読んで、履歴書から勝てる戦略を組み立てていきましょう。
弁護士の転職市場で履歴書が重視される理由
弁護士の転職活動において、履歴書は単なる形式的な書類ではなく、応募者の第一印象を決定づける重要な資料です。
法律事務所や企業法務部門では、限られた面接枠に誰を通すか判断するため、履歴書に記載された情報が選考の鍵となります。
- 職歴の一貫性が明確であること
- 応募先との業務適合性が伝わること
- 志望動機に論理性と納得感があること
これらの要素をバランス良く盛り込み、読み手に「この人に会ってみたい」と思わせることが、履歴書作成の成功ポイントです。
履歴書と職務経歴書の違いを理解する
弁護士の転職では、履歴書と職務経歴書の役割を正しく理解し、それぞれの目的に沿った記載が求められます。
履歴書は基本情報や応募理由などを簡潔にまとめる「プロフィール」であり、職務経歴書は実務経験や実績を詳述する「キャリアの証明書」といえます。
書類選考を通過するためには、履歴書で読み手の関心を引き、職務経歴書で信頼を得る。この2段階の流れを意識しましょう。
履歴書フォーマット・テンプレートの選び方
弁護士向けフォーマットの特徴
弁護士が使用する履歴書テンプレートには、専門性と情報量のバランスが求められます。特に以下の点を押さえておきたいところです。
- 職歴欄が複数の事務所・企業を記載しやすい構成であること
- 登録番号や保有資格、語学スキルなどを具体的に書き込める余白があること
- 志望動機欄にある程度の文字数を確保できるレイアウトであること
一般的な履歴書ではスペース不足になりがちなので、弁護士向けに設計されたテンプレートを活用すると効率的です。
PDF・Word・Excelテンプレートのメリットと注意点
履歴書テンプレートは形式によって特徴が異なります。
PDFはレイアウトが崩れにくく、Wordは柔軟な編集が可能、Excelは表組みを活かした職歴の記述に便利です。
ただし、提出先の希望形式に合っていない場合はマイナス評価になる恐れがあるため、事前確認を怠らないようにしましょう。
書類通過率を高める履歴書各項目の書き方
基本情報(氏名・連絡先・証明写真)のチェックポイント
履歴書に記載する基本情報は、信頼感と丁寧さを感じさせることが第一です。
- 氏名やふりがなは公式文書と一致させる
- 電話番号・メールアドレスは誤記のないように二重確認
- 写真は3ヶ月以内に撮影した、スーツ姿で表情が明るいものを使用
基本情報は見落とされがちですが、「ビジネスマナーがあるか」を見られている項目です。「メールが届かない」「写真が古い」といった細部の印象が評価に直結します。
学歴・職歴の書き方と具体例
学歴・職歴欄は、時系列でわかりやすく整理することが基本です。特に弁護士の場合、事務所や企業の変更が多いこともあるため、一貫性とロジックが求められます。
学歴は高校卒業以降を記載し、職歴は「入所」「退所」などの表記を明確に。複数の業務先がある場合は、各所属先の業務内容や担当領域を一言添えると、読み手の理解が深まります。
例えば、
- 2012年3月 ○○大学 法学部 卒業
- 2012年12月 司法修習修了(第○期)
- 2013年1月 △△法律事務所 入所(企業法務・訴訟担当)
- 2018年4月 □□法律事務所 入所(M&A・国際法務担当)
このように、簡潔に要点を記すことで、読まれやすく、かつ専門性が伝わる構成になります。
資格・弁護士登録番号・語学力の示し方
弁護士の履歴書には、登録番号を必ず記載しましょう。加えて、TOEICスコアやTOEFL、英検などの語学力も業務に関連する場合は有効です。
- 2012年12月 弁護士登録(東京弁護士会 登録番号:12345)
- TOEICスコア 860点(2023年3月取得)
語学力はスコアのほか、「英語での契約書レビュー経験あり」「英文契約20件超レビュー」など、実務での活用実績も添えると評価されやすくなります。
取り扱い案件・実績を数字で示すコツ
実績は「数字」で語ると説得力が高まります。抽象的な表現よりも、件数・金額・成果などの具体的な数値で表現しましょう。
たとえば、
- 企業間訴訟の代理人経験 15件(うち勝訴10件)
- M&A案件の契約書レビュー 50件超(クロスボーダー案件含む)
- 内部通報窓口対応 年間80件(社内研修講師も担当)
このように表現することで、「即戦力として活躍できる人材か」が明確に伝わります。
志望動機を論理的に伝える方法
志望動機は抽象的な表現を避け、「なぜ応募先を選んだか」「自分の経験がどのように活かせるか」を論理的に構成しましょう。
PREP法を活用すると効果的です。
- 結論:貴所の国際法務に携わりたいと考え、応募しました。
- 理由:これまでのキャリアで国内外の企業間契約を中心に担当してきたためです。
- 具体例:特に東南アジア向けの投資案件では、現地法規との調整を含めた契約実務に注力してきました。
- 再結論:貴所の業務に対し、即戦力として貢献できると考えています。
論理性と具体性のある志望動機は、面接でも好印象を与える要素になります。
本人希望記入欄(入社時期・年収希望など)の書き方
本人希望記入欄には、必要以上に詳細を書く必要はありません。基本は「貴社規定に従います」と記載し、交渉事項がある場合のみ簡潔に記載します。
記載例:
- 入社時期:2025年8月以降で調整可能です。
- 希望年収:現職水準(年収1,200万円程度)を希望しますが、貴社規定に従います。
明確な希望がある場合でも、表現は丁寧かつ柔らかく記載しましょう。「譲れない条件」と「交渉の余地がある条件」を区別しておくことが大切です。
法律事務所と企業法務で求められる履歴書の違い
事務所採用で評価されるポイント
法律事務所での採用においては、即戦力としての実務経験が重視される傾向があります。
- 訴訟・調停・交渉といった手続きの実務経験
- 依頼者対応の経験(個人・企業問わず)
- 専門分野(離婚、相続、交通事故、企業法務など)の明示
特に中小事務所では「幅広い案件を一人でこなせるか」が見られ、大手事務所では「高度な専門性や語学力」などが評価対象となります。
企業法務ポジションで評価されるポイント
企業法務への転職では、社内での連携力やビジネス感覚が問われます。法律知識だけでなく、以下の点が履歴書で読み取れるようにすると効果的です。
- 契約書レビューやコンプライアンス体制の構築経験
- 他部署との調整、業務改善提案などの横断的活動
- ビジネス視点でのリスク判断力
特に上場企業や外資系では、英文契約やグローバルコンプライアンスの実績があるとアピールになります。
履歴書作成前に行うキャリア棚卸し
スキルセット・専門分野の整理方法
履歴書を作る前に、自身のキャリアを棚卸しして「何をアピールすべきか」を明確にすることが重要です。
以下のような観点からスキルを整理してみましょう。
- 経験領域(例:M&A、知財、訴訟対応など)
- 業種(例:製造業、IT、不動産などのクライアント経験)
- 規模(中小企業から上場企業まで、どのレベルの案件を経験したか)
整理したスキルセットは、志望先に合わせて強調するポイントを選び、履歴書に反映させます。
強み・弱みを端的に伝える自己PR作成
自己PRでは「強み」と「それを裏付けるエピソード」のセットで構成すると、読み手に印象を残しやすくなります。
たとえば、
- 強み:スピード感ある対応力
- 具体例:顧客企業からの急ぎの契約書レビュー依頼に対し、24時間以内で4件対応し、信頼を獲得
また、弱みについても、成長につながった経験をセットで伝えることで、ポジティブな印象に変えることができます。
よくあるNG例と修正ポイント
弁護士の履歴書で見られるNG例として、以下のようなパターンがあります。
- 「自己PR」や「志望動機」が抽象的で説得力に欠ける
- 案件数やスキルが曖昧で、実力が読み取れない
- 誤字脱字、フォーマットの乱れなどで丁寧さに欠ける
これらは、どれだけ実力があっても評価を下げる原因になり得ます。応募前に第三者のチェックを受けると、ミスや曖昧表現を減らすことができます。
書類選考を通過させるための最終チェックリスト
- 氏名や連絡先に誤りはないか
- 志望動機は具体的で、応募先に合わせて調整されているか
- 職歴・実績に数字や具体例が含まれているか
- 自己PRが強みの裏付けになっているか
- 体裁(フォント、行間、写真など)が整っているか
このチェックリストを使い、提出前に見直す習慣をつけることで、通過率は確実に上がります。
法律事務所と企業法務で求められる履歴書の違い
事務所採用で評価されるポイント
法律事務所の採用では、弁護士としての即戦力性や専門性が求められます。具体的には、どのような業務経験を積んできたか、どの分野に強みがあるかが履歴書から読み取れることが重要です。
特に中小事務所では「幅広く案件を任せられるか」、大手事務所では「高い専門性や語学力」などが評価の対象になります。
企業法務ポジションで評価されるポイント
企業の法務部門では、法律知識だけでなく、社内の多部署と協力して業務を進めるスキルが重要視されます。
- 契約書レビューや社内規程の整備に関わった経験
- 事業部門との調整・アドバイザー的立場での提案力
- コンプライアンス推進のための社内研修経験など
特に外資系や上場企業では、英文契約のレビュー経験や国際的な法令対応の経験が大きなアピールポイントになります。
履歴書作成前に行うキャリア棚卸し
スキルセット・専門分野の整理方法
まずは自分の経験を棚卸しして、どの分野に強みがあるかを洗い出しましょう。ポイントは、「どんな案件を、どんなクライアントに、どの規模で行ったか」を把握することです。
- M&A、知的財産、労働法、行政訴訟など、専門分野の特定
- 中小企業か上場企業か、国内か海外かなどの対応実績
- 自分が主導した案件か、チームサポートかの役割の明確化
こうした整理を事前に行うことで、履歴書や職務経歴書に反映すべき情報が明確になります。
強み・弱みを端的に伝える自己PR作成
自己PR欄では、「強み+具体的なエピソード」をセットで書くと説得力が増します。
例えば、「複雑なM&A案件の調整を円滑に進めた結果、依頼企業からリピート受注を得た」など、実績に基づいた内容が好印象につながります。
弱みも、単なるネガティブ情報ではなく、改善努力や今後の伸びしろとして表現しましょう。
よくあるNG例と修正ポイント
弁護士の履歴書でよくあるミスとして、以下のようなケースが見られます。
- 抽象的すぎて印象に残らない志望動機
- 案件数や専門分野の記載が曖昧で実績が伝わらない
- 誤字脱字や形式ミスにより、注意力の欠如を印象付けてしまう
このような失点は、どれだけ能力が高くても不合格の要因になります。提出前に信頼できる第三者に添削を依頼するのも有効です。
書類選考を通過させるための最終チェックリスト
- 氏名、連絡先、学歴・職歴に誤字脱字がないか
- 志望動機が応募先に合わせた内容になっているか
- 職務経歴の中に、数字や成果の具体例が入っているか
- フォーマットやレイアウトが整っていて見やすいか
- 自己PRや希望欄が過不足なく書かれているか
このチェックリストを用いて、細部まで丁寧に確認することが、書類通過率を高める確実な手段となります。
書類添削に強い転職エージェントの活用方法
弁護士専門の転職エージェントを利用することで、履歴書や職務経歴書の添削を受けられるだけでなく、非公開求人の紹介や面接対策まで包括的なサポートを受けられます。
特に以下のような活用方法がおすすめです。
- 希望職種や年収のヒアリングに基づく求人紹介
- 書類のフィードバックと改善提案
- 過去の選考通過データをもとにした志望動機アドバイス
弁護士業界に詳しいエージェントを選ぶことで、書類作成の精度と選考突破の可能性が格段に上がります。
まとめ:弁護士転職で履歴書が持つ決定的な役割
弁護士の転職活動において、履歴書は書類選考突破の鍵を握る重要な書類です。
なぜなら、法律事務所や企業法務は限られた時間の中で候補者を見極める必要があり、履歴書はその最初の判断材料となるからです。
- 読みやすく論理的な構成で、第一印象をクリアに伝える
- 職務経歴や取り扱い案件は具体的な数値や実績で示す
- 志望動機や自己PRは、応募先との接点と貢献意欲を明確にする
- 法律事務所・企業法務それぞれで重視される要素を押さえる
- 転職エージェントを活用して添削や非公開求人の情報を得る
このように、ただ「書く」のではなく「伝わるように設計する」ことが重要です。
本記事で紹介したポイントを実践し、丁寧に履歴書を作成していけば、転職成功の確率は大きく高まるでしょう。