美容師の転職で失敗しない履歴書の書き方10のポイント
「履歴書ってどう書けばいいの?」「職歴に自信がないけど、どうアピールしたらいい?」——美容師として転職を考えたとき、まず悩むのが履歴書の書き方ではないでしょうか。
美容師の履歴書は、単に経歴を並べるだけではなく、“どんな接客をしてきたか”“どんな施術が得意か”を伝える大切なツールです。
とはいえ、どこにどんなことを書けばいいのか、悩む方も多いはず。
この記事では、以下のような悩みを抱えている方に向けて、美容師転職に特化した履歴書の書き方をわかりやすく解説します。
- 美容師にとって効果的な志望動機・自己PRが思いつかない
- ブランクやアルバイト経験の書き方に迷っている
- 履歴書と職務経歴書の違いがよくわからない
- 写真や服装など、見た目の印象が気になる
履歴書の基本から、美容師ならではのアピールポイントまで、この記事を読めばしっかり準備が整います。
美容師の転職で履歴書が果たす役割と重要性
転職市場で履歴書が見られるポイント
美容師として転職活動を行う際、履歴書は単なる書類ではありません。「この人に会ってみたい」と思わせる、いわば“第一印象の勝負所”です。
- 経歴の整理:何をしてきたかを時系列で示す
- 志望動機の明確化:なぜそのサロンを選んだのか
- 人柄の伝達:丁寧な文字・レイアウトで誠実さを示す
採用担当者は1枚の履歴書から多くの情報を読み取ります。技術やセンス以前に、「社会人として信頼できるか」が見られているのです。
では、美容師ならではのポイントとはどこなのでしょうか?次で詳しく見ていきましょう。
美容師ならではの評価視点
美容師の履歴書で注目されるのは、他業種とは異なる「実務に直結する情報」です。採用担当者が重視するのは、あなたが即戦力として活躍できるかどうか。
たとえば施術経験の中でも、どのメニューが得意なのか、どんな客層を担当してきたのかは重要な判断材料です。また、在籍年数や離職理由からも、仕事への責任感や定着性が見られます。
小さなエピソードでも、サロンワークへの向き合い方を示す内容があれば、評価アップに直結します。
履歴書は単なる記録ではなく、あなたの“仕事姿勢”を伝えるツールとして活用しましょう。
履歴書と職務経歴書の違いと使い分け
履歴書の目的と必須項目
履歴書の目的は、応募者の基本情報をコンパクトに伝えることです。
- 氏名・住所・連絡先などの個人情報
- 学歴・職歴
- 資格・免許
- 志望動機・自己PR
企業側が最初に目を通すのはこの履歴書であり、「この人に面接の場を設けるかどうか」を判断するための判断材料になります。
そのため、記載漏れや誤字脱字はもちろん、写真や文字の印象も重要です。清潔感と丁寧さを感じられる履歴書は、それだけでプラスの印象を与えることができます。
職務経歴書で深掘りすべき美容師経験
職務経歴書は、美容師としてどんな業務をどのように取り組んできたかを具体的に伝える書類です。
履歴書が「概要を伝える名刺」だとすれば、職務経歴書は「実績と強みを語るプレゼン資料」と言えるでしょう。
サロン名や在籍期間だけでなく、下記のような情報を具体的に盛り込むのが効果的です。
- 1日の平均施術数や担当顧客数
- 売上目標に対する達成率
- 教育係・後輩指導などの経験
- 店舗イベントやSNS集客への貢献実績
単なる「作業記録」ではなく、自身の強みや成長を裏付けるストーリーとして書くことが、印象的な職務経歴書につながります。
履歴書フォーマットと用紙の選び方
JIS規格・市販・ダウンロードテンプレート比較
美容師の転職において、履歴書のフォーマット選びも意外と重要な要素です。内容は同じでも、フォーマットによって印象が大きく変わるからです。
- JIS規格:オーソドックスでどの業界でも通用するフォーマット。手堅い印象を与えたい人向け。
- 市販フォーマット:コンビニや文具店で購入可能。項目数やレイアウトは商品ごとに異なるため注意。
- ダウンロードテンプレート:無料で入手でき、編集も自由。パソコンで作成する人に人気。
美容師の場合、職務経歴や得意施術などをしっかり記載するため、記入欄の広いフォーマットがおすすめです。
「使いやすさ」と「見やすさ」のバランスを考え、自分に合ったスタイルを選びましょう。
手書きかパソコン作成かのメリット・デメリット
履歴書は手書きとパソコン作成のどちらでも問題ありません。ただし、それぞれに印象や労力の違いがあります。
- 手書き:丁寧さや誠意を伝えやすい反面、修正が効かず時間もかかる。
- パソコン:読みやすく清潔感が出る。効率的に複数社へ提出可能。
美容師業界では手書きが根強く評価される傾向もありますが、都市部や若手中心のサロンではパソコン作成も一般的です。
どちらを選ぶかは応募先サロンの雰囲気や方針を見極めたうえで判断しましょう。
「手書きじゃないとマナー違反?」と心配な方もいますが、今は履歴書より内容重視の時代。中身の質が何より大切です。
基本情報欄の正しい書き方
名前・捺印・連絡先の注意点
基本情報欄は一見単純ですが、ちょっとしたミスが信頼性を損なう恐れがあります。特に美容師の履歴書では、丁寧な記入が好印象につながります。
- 氏名は戸籍通りに、ふりがなは「ひらがな」で統一
- 捺印欄がある場合は朱肉を使い、かすれないように
- 電話番号やメールアドレスは正確に。誤記は致命的
また、メールアドレスはフリーアドレスで構いませんが、「s2t_angel56」のようなプライベート感の強いものは避け、フルネームを使ったシンプルなアドレスが望ましいでしょう。
応募先からの連絡を確実に受け取れるよう、記載内容は必ず見直しておきましょう。
希望職種・希望勤務地の書き方
希望職種や勤務地の記載は、応募の目的とマッチしているかを示す重要な項目です。
「スタイリストとして入社し、カットを中心に担当したい」「表参道エリアでの勤務を希望します」といった具体性があれば、採用側も判断しやすくなります。
逆に「どこでも構いません」など曖昧な書き方では熱意が伝わりにくいため、なるべく自分のビジョンに即した希望を書きましょう。
ただし、条件を強く主張しすぎると選考から外れるリスクもあるため、「○○を希望しますが、相談可能です」といった柔軟な表現も効果的です。
学歴・職歴欄でアピールするコツ
美容師キャリアを時系列でわかりやすく書く方法
学歴・職歴欄は、履歴書の中でも特に重要な部分です。美容師の転職では、どのサロンでどのような役割を果たしてきたかが評価されるため、経歴を「時系列で明確」に記載することがポイントです。
- 学歴は高校卒業からでOK。大学・専門学校があれば必ず記載
- 職歴は入社・退職年月とサロン名、勤務地を正確に
- 在籍中の役職や業務内容、スタイリストデビューの時期なども添える
たとえば「2020年4月 ◯◯美容室 入社(東京・自由が丘店)/アシスタントとして勤務、2021年10月スタイリスト昇格」といった記載は、キャリアの流れが伝わりやすくなります。
見やすいフォーマットで、簡潔に・丁寧に記載することで、誠実な印象を与えられます。
アルバイト・ブランク期間の説明例
ブランクや短期のアルバイト経験がある場合、それをどう説明するか悩む方も多いかもしれません。しかし、美容師の転職ではその間の“姿勢”や“意欲”が伝わればマイナスにはなりません。
たとえば以下のように記載することで、前向きな印象を与えることができます。
- 「2023年4月〜2023年9月 都内某カフェにて接客アルバイト(転職活動と並行して勤務)」
- 「2022年7月〜2022年12月 自己都合により一時的に離職(ヘアメイクスクールに通い、技術研鑽)」
特に接客・サービス業でのアルバイト経験は、美容師に求められるコミュニケーション能力と重なる部分が多く、評価されやすいです。
「空白期間=何もしていなかった」と見られないよう、前向きな行動や目的を添えるのがコツです。
資格・スキル・得意施術の書き方
美容師免許・管理美容師資格の記載例
美容師免許は、当然ながら履歴書に必ず記載すべき資格です。記載する際は、正式な名称と取得年月を正確に書きましょう。
- 美容師免許(2019年3月 取得)
- 管理美容師(2022年10月 取得)
管理美容師の資格を持っている場合、店舗運営や衛生管理などの役割が担えることを示すアピールポイントになります。
さらに「ヘアケアマイスター」や「色彩検定」など、美容業務と関連性のある資格も評価対象となります。自分の強みにつながる資格は積極的に記載しましょう。
カラー・パーマなど得意メニューのアピール方法
履歴書では、得意な施術メニューを明確にすることで、自身の強みを具体的に伝えられます。
特にカラーやパーマ、ヘアセットなどは、美容師としての専門性を判断する大きな材料になります。
記載例としては次のような形が効果的です。
- 「デザインカラーやインナーカラーを得意とし、20代女性を中心に指名多数」
- 「髪質改善ストレートを月30名以上施術。リピート率8割以上」
- 「ナチュラルパーマを活かしたショートスタイルを得意とする」
可能であれば「実績を数字で示す」「どんな顧客に支持されているか」なども加えると、説得力が増します。
得意技術がそのまま“強み”として伝わるように意識して書きましょう。
志望動機・自己PRの書き方と例文
採用担当に響く志望動機の構成
志望動機は履歴書の中でも特に重要視される項目です。ただ「御社に興味があったから」といった曖昧な理由では通用しません。
まずは「なぜそのサロンを選んだのか」、次に「自分がどう貢献できるか」をセットで伝えると説得力が高まります。
たとえば「地域密着型の接客方針に共感したため志望しました。前職でもリピーター対応に力を入れており、その経験を活かしてお客様との信頼関係を築いていきたいです」といった構成が効果的です。
「熱意+貢献」のセットで書くことが、採用担当の心に響く鍵となります。
実績を数字で示す自己PR例
自己PRでは「何ができるか」に加えて「どんな成果を出したか」を明確に伝えると説得力が増します。
- 「月間指名売上70万円を継続して達成」
- 「インスタグラム集客で新規月20名以上獲得」
- 「年間スタイリストランキングで店舗1位を獲得」
数字で示すことにより、あなたのスキルや信頼性を客観的に伝えることができます。
また「チームでの売上改善プロジェクトに参加し、前年比120%を達成」など、他者との連携経験もプラス材料です。
結果を数字で示しながら、仕事への姿勢や工夫も伝えられると理想的です。
NG例と改善ポイント
せっかくの自己PRや志望動機も、表現次第では逆効果になることがあります。特にありがちなNG例として、「自己中心的」「抽象的」「熱意が空回りしている」といったケースが挙げられます。
たとえば、「御社の雰囲気が好きだから働きたいです」といった動機は理由が曖昧で、採用側にとってのメリットが不明です。
このような場合は、「御社の“カウンセリング重視”という施術方針に共感しました。私自身、悩みを丁寧に聞き取る接客を意識しており、その経験を活かせると感じました」と改善できます。
具体性と貢献意識を盛り込むだけで、印象は大きく変わります。
写真・服装・身だしなみのポイント
写真スタジオと自撮りの違い
履歴書に貼る証明写真は、見た目以上に採用担当者の印象を左右します。特に美容師という職種は“見た目”のプロとしての信頼感が求められるため、適当に済ませるのはNGです。
自撮り写真はコストがかからず手軽ですが、光の当たり方や背景、表情の印象などが不自然になりがちです。一方、写真スタジオでの撮影は表情・姿勢・ライティングまで整えられ、清潔感と誠実さが際立ちます。
美容師としての“第一印象”を大切にするなら、写真スタジオでの撮影が圧倒的におすすめです。
髪型・メイク・服装のチェックリスト
- 髪型:清潔感があり、派手すぎないカラーやスタイル
- メイク:ナチュラルを意識し、肌のトーンを均一に
- 服装:白シャツやジャケットなど、シンプルかつ清潔な装い
- アクセサリー:目立つピアスやネックレスは控える
- 爪:ネイルをする場合は淡色・短めが無難
美容師は「美」に関わる職業だからこそ、自分自身の外見にも気を配る姿勢が求められます。奇抜さよりも“整っていること”を優先しましょう。
自分の印象を客観的に見直すため、第三者にチェックしてもらうのもおすすめです。
提出マナーと封筒・添え状の書き方
郵送・持参・Web提出の手順
履歴書の提出方法によって、マナーや準備すべきものが異なります。美容師の転職では、サロンによっては直接持参やWeb提出が指定される場合もあるため、募集要項をよく確認しましょう。
- 郵送:白い角形2号封筒に入れ、折らずに送付。クリアファイルに挟むと丁寧な印象
- 持参:封筒を準備し、面接時に「お持ちしました」と添えて渡す
- Web:PDF化して添付。ファイル名は「履歴書_氏名.pdf」のようにわかりやすく
どの方法であっても、「丁寧に整える」という基本姿勢が大切です。形式ばかり気にせず、相手に配慮する気持ちを込めて準備しましょう。
封筒サイズ・宛名・送付状のマナー
履歴書を郵送する際は、細かなマナーが評価につながります。
封筒はA4が折らずに入る「角形2号」を使い、表には縦書きで「株式会社〇〇 採用ご担当者様」と明記します。裏には自分の住所と名前を書き、封はのり付けし「〆(締め)」を忘れずに。
送付状(添え状)も必ず添えましょう。本文では、
- 「このたびは貴社の求人を拝見し、履歴書をお送りいたします」
- 「ご多忙の折恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします」
といった、簡潔で丁寧な文面が理想です。添え状があることで、誠意やビジネスマナーが伝わります。
面接前に行う履歴書の最終チェック
誤字脱字を防ぐチェックリスト
- 氏名・住所・電話番号・メールアドレスに間違いがないか
- 学歴・職歴の年月や表記(「年」や「月」の付け忘れ)
- 空欄がないか、記入漏れがないか
- 日付は最新の日付になっているか
- 全体のレイアウトが整っているか(ズレ・バランス)
内容が正しくても、誤字脱字があるだけで「雑な人」と見なされる可能性があります。特に美容師の仕事は繊細な手仕事。細部への注意が行き届いているかどうかは採用判断にも影響します。
印刷前・提出前には必ず声に出して読み上げ、第三者にもチェックを依頼すると安心です。
面接で聞かれやすいポイントの整理
面接では、履歴書に書いた内容をもとに質問されることがほとんどです。つまり「自分が書いたことを自分の言葉で説明できるか」が重要です。
特に以下の項目は、事前に整理しておくとスムーズに答えられます。
- 転職理由(前職での課題や成長したい思い)
- 志望動機(応募先を選んだ理由と将来像)
- 得意施術や接客で意識していること
履歴書の内容と面接の発言が食い違うと、「本音で書いていないのでは?」と思われかねません。想定質問と回答をセットで準備しておきましょう。
緊張しても、自分の言葉で伝えられるよう練習を重ねておくことが成功への第一歩です。
履歴書作成でよくある質問
日付は提出日か作成日か
履歴書に記載する日付は、「提出する日」が基本です。
郵送する場合はポストに投函する日、面接に持参する場合は当日の日付、Webで送付する場合も送信日が原則です。
作成日が早くても、提出が遅れる場合は日付を最新に修正しておくと好印象です。
「先週書いたままの日付で出してしまった…」とならないよう、送付前には必ず確認しましょう。
写真貼付が間に合わない時の対処法
写真が用意できていない場合でも、履歴書は原則「写真付き」で提出するのがマナーです。ただし急ぎの提出が求められる場合、次のような対応が考えられます。
- 一旦、写真なしで提出し「後日、改めて写真を添付した履歴書をお持ちします」と伝える
- Web提出ならPDFに後から画像を挿入し、再提出する
- 写真スタジオの予約が取れない場合は、スピード写真機でも可
ただし、印象に関わる大事な要素であることは変わりません。早めの準備を心がけ、なるべくスタジオ撮影を優先しましょう。
ダウンロードできるおすすめ履歴書テンプレート集
無料テンプレートサービスまとめ
近年では、履歴書のテンプレートを無料でダウンロードできるサイトが数多くあります。特に美容師向けの書式に対応しているものや、記入項目が多いタイプも人気です。
- ビューティーキャリア:美容師専用の履歴書テンプレートが充実
- ハローワーク:オーソドックスなJIS形式を提供
- エン転職・マイナビ転職:パソコン入力しやすいWord形式テンプレもあり
「A4・2枚」「A3・両面」など、提出先の指示に合わせたフォーマットが選べるのもメリットです。自分に合った様式で、見やすさと使いやすさを両立しましょう。
スマートフォンで作成できるアプリ紹介
履歴書をスマートフォンで作成・管理できるアプリも増えています。パソコンを持っていない方や、スキマ時間で作業したい方には便利なツールです。
代表的なアプリとしては以下のようなものがあります。
- 履歴書カメラ(iOS/Android対応):証明写真撮影+レイアウト編集も可能
- レジュメ(iOS/Android):シンプルで入力しやすいUIが特徴
- 転職ナビ 履歴書メーカー:テンプレに沿って入力するだけでPDF化
スマホだけで履歴書作成から提出まで完結できるのは、忙しい美容師にとって大きな時短効果です。アプリを活用すれば、より効率的な転職活動が実現します。
まとめ:美容師の転職成功は履歴書の質で決まる
美容師として転職を成功させるには、「履歴書」を通じて自分の魅力を最大限に伝えることが何よりも重要です。
なぜなら、履歴書は面接前にあなたを知ってもらう唯一のツールであり、第一印象を大きく左右するからです。
- 美容師特有の強み(施術・接客)を具体的に伝える
- 職務経歴書では数字や成果を交えて実績をアピール
- 履歴書の形式や見た目も丁寧に整えることが大切
- 提出方法やマナーにも気を配ると好印象につながる
- 志望動機や自己PRは「相手に何を伝えたいか」が軸
このように、書類1枚の完成度を高めることが、あなたの転職活動全体の成功率を高める近道です。
「どのサロンに入るか」だけでなく、「どう伝えるか」を意識して、次のキャリアを前向きに切り拓いていきましょう。