【保存版】介護士転職の履歴書ガイド|7章で学ぶ書き方と例文集
「履歴書ってどう書けばいいの?」「志望動機が毎回同じような内容になってしまう…」
介護職として転職を考えている方の中には、履歴書の書き方に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
特に介護業界では、経験や資格だけでなく、履歴書の内容やマナーも採用の判断材料になります。
この記事では、介護士として転職を成功させるための履歴書作成ポイントを7つの章にわけて徹底解説します。
- 介護業界で重視される履歴書の役割と注意点
- 志望動機や自己PRを魅力的に仕上げるコツ
- 未経験・ブランクありの方向け例文
- 送付時のマナーや面接時の持参方法
- よくあるNG例と改善のチェックリスト
この記事を読めば、「採用担当者に伝わる履歴書」を書くためのポイントがしっかりと身につきます。
介護士の履歴書が採用結果を左右する理由
履歴書が一次選考で果たす役割
介護士の転職活動において、履歴書は一次選考を突破するための最初の試験官といえる存在です。
履歴書は、応募者の経歴やスキルを伝えるだけでなく、「どんな人柄なのか」「職場に合う人物か」を採用担当者に判断させる重要な材料です。
- 応募者の人物像や姿勢を確認する最初の判断材料になる
- 志望動機や自己PRから意欲や価値観が伝わる
- 誤字や書き方の丁寧さが仕事への姿勢を映し出す
つまり、履歴書は単なる事務手続きではなく、自分をアピールするプレゼン資料です。ここで気を抜かずに仕上げることが、面接のチャンスを得るためのカギとなります。
採用担当者が重視する評価ポイント
採用担当者は、履歴書を通して「この人は職場に合うか」「即戦力になるか」を見極めています。
特に介護職は人と関わる仕事ですから、スキル面だけでなく丁寧な記載や人柄が感じられる内容が重視されます。
資格の記載ミスや誤字脱字があると、細かい配慮に欠けると判断されてしまうこともあるため、記載内容には細心の注意が必要です。
介護業界ならではのチェック項目
- 介護福祉士や実務者研修など、保有資格の正式名称と取得年月日
- 夜勤やシフト勤務に対応可能かどうか
- 高齢者との関わり方やチームでの協働経験
- 退職理由が前向きで、今後に活かせる内容になっているか
現場経験が少ない場合でも、誠実な姿勢や「人と接するのが好き」といった気持ちを伝えるエピソードがあれば、評価されやすくなります。
採用担当者は、資格以上に「人柄」や「思いやりのある姿勢」を見ている点を忘れないようにしましょう。
履歴書作成前に準備しておく書類・情報
フォーマットとダウンロード先の選び方
履歴書の作成を始める前に、まずは自分に合ったフォーマットを用意しましょう。
市販の履歴書でも問題ありませんが、介護職向けのフォーマットがダウンロードできる求人サイトや厚生労働省の支援サイトなども活用すると便利です。
- 施設ごとの記載欄(志望動機・自己PR)に違いがある場合がある
- 手書き/パソコン作成のどちらでもOKだが、提出先の指示には従う
- PDF出力が可能な履歴書作成ツールを使うとミスが減る
特にオンライン応募が増えている現在では、PDFでの提出が求められることも多いため、パソコン入力に慣れておくと安心です。
証明写真のサイズ・撮影・貼付のコツ
証明写真は履歴書の印象を大きく左右する要素です。写真の印象が良いと、それだけで「きちんとした人だな」と評価されることがあります。
- サイズは一般的に縦40mm×横30mm
- 3ヶ月以内に撮影したものを使用
- 服装はスーツが基本で、清潔感のある髪型・表情を意識
- 写真は糊付けし、上から名前を書くのがマナー
スピード写真よりも写真館や就職写真専用スタジオで撮影する方が印象は良くなりやすく、撮り直しができる点でも安心です。
資格証・職歴証明の整理方法
履歴書作成時に忘れがちなのが、手元の証明書類の整理です。特に介護業界では、資格証や実務経験証明が求められる場面が多くなります。
準備しておくべきものには次のような書類があります。
- 介護職員初任者研修・実務者研修・介護福祉士の資格証
- 介護保険施設や訪問介護事業所での勤務証明書
- 勤務期間が明記された職務経歴書
これらをファイルにまとめておくと、履歴書作成時にスムーズに参照でき、面接時にもすぐ提出できる状態にできます。
「今の職場で証明書が発行されないかもしれない…」という場合は、事前に上司や人事担当に確認しておくと安心です。
履歴書の基本構成と各項目の書き方
日付・氏名・連絡先の正しい記載例
履歴書の日付は、提出する日を記載するのが基本です。面接日ではなく、郵送や持参する「実際の日付」にしましょう。
氏名は戸籍上の正式名称を使用し、ふりがなも忘れずに記載します。ふりがなの欄が「ふりがな」の場合はひらがなで、「フリガナ」の場合はカタカナで書くのがルールです。
連絡先は、日中に確実に連絡の取れる電話番号を記載しましょう。携帯電話で問題ありませんが、間違いがないように二重チェックを。
学歴・職歴欄の書き方と西暦/和暦の統一
- 最初に「学歴」と一行見出しを書き、下に時系列で記載
- 中学校卒業から書くのが一般的
- 「高校卒業」「大学卒業」などは学部・学科まで記入
- 職歴は「職歴」と見出しを入れてから、入社・退社を時系列で
- 最後に「現在に至る」または「以上」で締める
西暦と和暦が混在していると見づらくなります。どちらか一方に統一し、履歴書全体で整合性を保ちましょう。
資格・免許欄に記載すべき介護資格と正式名称
資格欄には、取得した資格を正式名称で記入します。略称や通称ではなく、認定されたままの名称を記載しましょう。
記載例:
- 介護職員初任者研修 修了(2018年3月)
- 実務者研修 修了(2021年6月)
- 介護福祉士 登録(2023年3月)
なお、今後取得予定の資格がある場合は、「取得見込み」と記載することで意欲もアピールできます。
本人希望欄に書くべき内容とNG表現
本人希望欄は、特別な希望がある場合のみ記載する欄です。例えば「日勤のみ希望」「通勤時間1時間以内を希望」など、どうしても伝えたい条件がある場合に限って使います。
ただし、希望条件が多すぎると「こだわりが強すぎる人」と判断されてしまうこともあるため、記載は最小限にとどめましょう。
NG例としては、「給料は○万円以上を希望」「土日は休みたいです」など、主張が強すぎる表現です。やむを得ない希望がある場合でも、「貴社規定に従います」と記載しておく方が印象は良くなります。
志望動機と自己PRで差をつけるポイント
志望動機を書く3ステップと例文
志望動機は、採用担当者が「なぜうちの施設を選んだのか」「どう働きたいのか」を知る重要なポイントです。以下の3ステップで構成すると、説得力のある内容に仕上がります。
- 1. 介護職を志したきっかけ(例:祖母の介護を通じて興味を持った)
- 2. 応募先の特徴に共感した理由(例:利用者一人ひとりに寄り添う姿勢に惹かれた)
- 3. 自分の強みが活かせると感じた点(例:穏やかな性格と傾聴力が活きると感じた)
例文:
「祖母の介護を手伝った経験から、人を支える仕事に魅力を感じ介護職を志しました。貴施設の『自分らしく生きることを支える』という理念に深く共感し、利用者様に寄り添ったケアを実践したいと感じ応募いたしました。前職では接客業で培った傾聴力を活かし、多くの高齢者と良好な関係を築いてきました。この経験を活かし、貴施設でも信頼される介護士として貢献したいと考えております。」
自己PRで強調すべき介護スキルと人間性
自己PRでは、介護スキルだけでなく、仕事に対する姿勢や人柄も評価されます。
たとえば、利用者に安心感を与える接し方、変化に気づける観察力、チームワークを大切にする姿勢など、現場で活かせるエピソードがあると好印象です。
「特別なスキルがない…」という方でも、笑顔や声かけの工夫、人を思いやる気持ちといった「介護の原点」とも言える要素が、採用側にはしっかり届きます。
未経験・ブランクあり向けアレンジ例文
- 未経験者向け:「以前より高齢者との関わりに興味があり、介護職員初任者研修を修了しました。未経験ではありますが、利用者様に寄り添う姿勢を大切にし、学ぶ意欲を持って取り組みます。」
- ブランクあり向け:「子育て期間を経て再就職を希望しています。前職では介護福祉士として5年勤務し、夜勤や入浴介助の経験も豊富です。ブランク中も研修に参加し、知識をアップデートしてきました。」
ブランクがある場合は、その間に取り組んだことや現場復帰への意欲を具体的に伝えると、前向きな印象になります。
よくあるNG例と改善チェックリスト
誤字脱字・空欄をなくす最終チェック
せっかく丁寧に書いた履歴書でも、誤字や空欄があると一気に信頼感を失ってしまいます。特に介護職では、報連相や記録の正確さが求められるため、基本的な書類の完成度は非常に重要です。
- 文章の終わりに句点(。)を忘れていないか
- 氏名・住所・電話番号の誤入力がないか
- 資格名・学校名など固有名詞の表記に誤りがないか
- 空欄がないか、あっても理由を簡潔に記載しているか
印刷前に読み直すのはもちろん、家族や友人に読んでもらうとミスを防ぎやすくなります。
テンプレ感が出る志望動機の修正方法
「御社の理念に共感しました」「介護を通じて社会に貢献したいと思いました」といった表現は、よくあるテンプレートです。内容が抽象的すぎると、「他の施設でも同じことを書くのでは?」と感じられてしまいます。
改善するには、具体的なエピソードや施設独自の特徴を交えて書くのがポイントです。ホームページや求人票に書かれたキーワードを取り入れ、「なぜこの施設なのか」を言語化してみましょう。
テンプレを脱却するだけで、採用担当者の印象はぐっと良くなります。
写真・紙質など見落としがちなマナー違反
- スナップ写真を切り抜いて使っている
- 写真のサイズや貼り方が雑で、端が浮いている
- 薄すぎる紙や、インクがかすれたプリント
- 履歴書に折り目やしわがある
こうしたマナー違反は、それだけで「仕事も雑そう」という印象につながります。
履歴書は内容だけでなく、見た目の清潔感も評価対象。印刷する場合は、A4用紙の質にも気を配り、封筒も適切なサイズのものを選びましょう。
ケース別Q&A|迷いやすい場面への対応
職歴が多い・短期離職がある場合の書き方
職歴が多かったり、短期間での退職が続いている場合でも、書き方次第で前向きな印象を与えることができます。
まずはすべてを正確に記載した上で、それぞれの職場で得た経験やスキルを簡潔に添えましょう。また、退職理由をポジティブに表現することも大切です。
例:「契約期間満了のため退職」「家庭の事情により一時離職したが、再び現場で力を発揮したいと考えた」など。
夜勤専従や派遣経験をプラス評価に変えるコツ
- 夜勤専従であれば、「緊急時対応の判断力が養われた」など具体的に
- 派遣の場合も、「複数施設での経験により柔軟な対応力を身につけた」と強みに変換
- 勤務期間や役割を明記し、信頼性を高める
正職員でないからといってネガティブに受け止める必要はありません。どんな雇用形態であっても、現場経験は評価されます。
介護福祉士取得見込みの場合の資格記載方法
介護福祉士の取得が目前の場合は、履歴書の資格欄に「介護福祉士(取得見込み 2025年3月)」と記載します。
取得見込みと記すことで、今後のキャリアアップへの意欲をアピールできます。加えて、「現在実務者研修受講中」などの補足情報があれば、成長意欲も伝わります。
施設側にとっても、将来的に有資格者として活躍してくれる人材と期待されやすくなるでしょう。
履歴書の提出・送付マナー
封筒の書き方と添え状の例文
履歴書を郵送する際は、A4サイズの履歴書が折れずに入る角形2号の封筒を使用しましょう。封筒の表面には、以下の内容を丁寧に記載します。
- 宛名:「○○施設 採用ご担当者様」と記載
- 左下に「履歴書在中」と赤字で明記
- 裏面には差出人(自分)の住所・氏名を記載
また、添え状(送付状)を同封することで、ビジネスマナーとしての印象が良くなります。
添え状の例文:
拝啓
貴施設におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
このたびは、求人情報を拝見し、ぜひ貴施設の一員として働かせていただきたく応募いたします。
つきましては、履歴書・職務経歴書を同封いたしましたので、ご査収のほどお願い申し上げます。
ご多忙のところ恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
オンライン応募用PDFの作成とファイル名
最近ではメールや応募フォームで履歴書をPDF形式で提出するケースも増えています。パソコンで作成した履歴書は、内容確認後にPDF形式で保存し、以下のようなファイル名で提出すると好印象です。
- ファイル名例:
履歴書_山田太郎_2025.pdf
- 半角英数字と日本語を組み合わせ、誰のものかわかるように
- パスワード付きPDFにする必要があるかは、応募先の指示に従う
オンライン提出でも「丁寧な印象」「分かりやすさ」を意識したファイル名やデータ形式で提出することが大切です。
面接当日に持参する際の注意点
面接当日に履歴書を持参する場合は、折れや汚れを防ぐためクリアファイルに入れて持参しましょう。封筒に入れてそのまま渡すのはマナー違反とされることもあります。
また、写真が剥がれていないか、署名や日付の記入漏れがないか、もう一度確認しておくと安心です。
履歴書を渡すタイミングは、面接官から求められたとき。「こちらが履歴書になります。よろしくお願いいたします」と一言添えて渡すと、印象がより良くなります。
まとめ:履歴書で信頼と熱意を伝え、理想の介護職に一歩近づこう
履歴書は、介護職の転職活動において最初にあなたの人柄や姿勢を伝える大切なツールです。
なぜなら、採用担当者は書類から応募者の人柄・スキル・意欲を見極め、面接へ進むかどうかを判断しているからです。
- 履歴書は「自分の分身」であり、内容・見た目ともに丁寧に仕上げることが重要
- 志望動機や自己PRは具体性を持たせ、他の応募者と差をつける
- 証明写真や封筒の書き方など、細部までマナーを意識することで印象アップ
- 未経験やブランクがあっても、前向きな姿勢を表現することで十分アピール可能
- 施設ごとの特色を理解し、履歴書内容をカスタマイズするのが選考突破のコツ
つまり、履歴書を通して「この人と一緒に働きたい」と思わせることができれば、転職成功に大きく近づけます。
丁寧に、そして戦略的に履歴書を作り込んで、理想の介護職を掴み取りましょう。