第二新卒の転職に効く履歴書の書き方12のポイント
「新卒で入社したけれど、何か違う」「もっと自分に合った仕事に挑戦したい」──そんな思いから、第二新卒として転職を考える方は年々増えています。
とはいえ、社会人経験が浅いために、履歴書の書き方で悩んだり、不安を感じたりすることも多いのではないでしょうか。
- 履歴書のフォーマットは何を選べば良いの?
- 職歴が短くても評価される書き方ってあるの?
- 志望動機や自己PRは何を書けば良いのか分からない
- 前職の退職理由ってどう伝えるべき?
この記事では、第二新卒の方が転職活動を成功させるために、履歴書の基本から応用までを12の視点でわかりやすく解説します。初めての転職でも安心して準備が進められるように、具体例も交えて丁寧に紹介していきます。
第二新卒の履歴書と新卒・中途の違い
企業が第二新卒に期待するポテンシャルとスキル
第二新卒の最大の強みは「若さ」と「吸収力の高さ」にあります。企業側は、基礎的な社会人スキルを持ちつつも、まだ育成の余地が大きい人材として高く評価しています。
- 短期間でも社会経験があるため、ビジネスマナーを理解している
- 固定概念にとらわれず柔軟性があるため、組織に馴染みやすい
- 失敗を糧にして前向きに転職活動をしているケースが多い
これらの点を履歴書でしっかり表現すれば、採用担当者に「将来性のある人材」としてアピールできます。「なぜ辞めたか」ではなく「これから何をしたいか」に焦点を当てることが鍵です。
履歴書と職務経歴書の役割の違い
履歴書と職務経歴書は、書く内容も目的も異なります。履歴書は「あなたという人物の概要」を伝える書類であり、職務経歴書は「これまでの経験や成果」を具体的に伝えるものです。
- 履歴書では、学歴・職歴・資格・志望動機などを簡潔に記載
- 職務経歴書では、業務内容やスキル、実績を具体的にアピール
特に職歴が浅い第二新卒は、履歴書での志望動機や自己PRが重要になります。2つの書類をうまく連携させることで、信頼感と説得力を高めましょう。
採用担当が重視するチェックポイント
履歴書は「第一印象」を決定づける重要な書類です。特に第二新卒の場合、経験の少なさをカバーするためにも、丁寧な仕上がりが求められます。
採用担当者が見ているのは、以下のような点です。
- 誤字脱字がないか
- 志望動機が具体的で、その企業に合っているか
- 退職理由が前向きに記載されているか
たとえ経験が浅くても、文章から「誠実さ」「成長意欲」「目的意識」が伝われば、チャンスを掴める可能性は十分にあります。
第二新卒向け履歴書テンプレートとフォーマットの選び方
JIS規格・厚労省推奨フォーマットの特徴
履歴書にはさまざまなフォーマットがありますが、転職時にはJIS規格または厚生労働省が提供する形式を使うのが無難です。
JIS規格は全国的に広く使われており、必要な項目が網羅されているため、企業側も見慣れている形式です。一方、厚労省のフォーマットは、ハローワークや職業訓練校でよく使用され、シンプルながらも実用性に優れています。
第二新卒の方は、情報量が適度に収まる「A4サイズ1枚または2枚」のタイプを選びましょう。内容を詰め込みすぎるより、読みやすさと整理された構成が重要です。
「フォーマットが多すぎて迷う…」と感じたら、JIS規格を選べばまず間違いありません。
スマホ・PCで使える無料ダウンロードテンプレート
履歴書は、スマホやPCで簡単に作成できる時代になりました。市販の履歴書用紙をわざわざ購入せずとも、無料テンプレートを使えば、自宅で印刷するだけで整った書類が完成します。
- 厚生労働省の公式テンプレート:基本を押さえたシンプル設計
- マイナビ・リクナビなど大手転職サイト:項目別に最適化された形式
- GoogleドキュメントやWord形式で編集できるテンプレート:そのままオンライン提出も可能
とくにスマホユーザーには、PDF編集アプリを使えば手書き不要で作成が可能です。文字入力や写真挿入も手軽にできるため、紙とペンに不慣れな方にも安心です。
「手書きの方が印象がいいのでは?」と悩む方も多いですが、近年ではデジタル作成の履歴書も一般的です。読みやすく、誤字がないことの方が重視される傾向にあります。
転職エージェント提供の専用フォーマット
より本格的な履歴書を作成したい場合は、転職エージェントが提供している専用フォーマットを活用するのも一つの手です。
エージェントが推奨するフォーマットは、採用担当者が「見やすい」「比較しやすい」ように最適化されている点が特長です。たとえば、学歴・職歴欄に十分なスペースがあり、自己PRや志望動機も記入しやすい構成になっています。
- JACリクルートメント:ハイキャリア向けに洗練されたテンプレート
- マイナビエージェント:20代に特化したシンプルでわかりやすい構成
- doda:実績・スキルの表現を重視したレイアウト
また、エージェント経由で応募する場合、提出書類の添削サポートも受けられるのが大きなメリットです。自力では気づけない表現のミスや構成の弱点を、プロの目線でチェックしてもらえます。
「履歴書で落とされるのが不安…」という方には、ぜひ活用してほしいサービスです。
項目別の書き方ガイド
日付・証明写真・氏名など基本情報の記入ルール
履歴書の基本情報欄は見落とされがちですが、採用担当者が最初に目を通す重要な部分です。不備があると、いきなりマイナス評価につながる可能性もあるため、丁寧に記入しましょう。
- 日付は「提出日」を記入。郵送なら投函日、持参なら持参日を記載
- 写真は3ヶ月以内に撮影した正装・笑顔控えめの証明写真を使用
- 氏名・ふりがなは読みやすく丁寧に。手書きなら楷書体が基本
メールアドレスも意外と見られています。ビジネスに適したアドレス(フリーアドレス可)を使用し、趣味やあだ名が入ったものは避けましょう。
「メールで連絡が来ない…」というトラブルを避けるためにも、入力ミスには要注意です。
学歴・職歴欄の正しい書き方と例文
学歴・職歴欄は、応募者の経歴を一目で判断する重要な項目です。第二新卒の方は職歴が少ない分、書き方の基本を押さえることで、読みやすく誠実な印象を与えることができます。
まず学歴は「高校卒業」から記載し、入学・卒業年月を省略せずに書くのがマナーです。その後、職歴については入社・退職年月とともに、企業名と配属部署を明記します。
記載例:
【学歴】 2017年4月 〇〇高等学校 入学 2020年3月 〇〇高等学校 卒業 2020年4月 △△大学△△学部△△学科 入学 2024年3月 △△大学△△学部△△学科 卒業 【職歴】 2024年4月 株式会社〇〇 入社 営業部に配属、法人営業を担当 2025年6月 一身上の都合により退職 現在に至る
退職理由は「一身上の都合」と表現し、詳細は志望動機や面接で説明しましょう。明確で整った表記が採用担当者の信頼感に直結します。
資格・免許・スキル欄で強みをアピールする方法
第二新卒の段階では、豊富な実務経験よりも「何を学んできたか」「どんなスキルを持っているか」が評価されます。持っている資格や実務に関連するスキルは、抜けなく記載しましょう。
- 自動車運転免許(業務での使用がある職種では必須)
- 日商簿記、MOS、TOEICなど、基礎的なビジネススキルの証明
- Excel・Word・PowerPointの実務レベルでの使用経験
また、IT業界などでは「Photoshop使用経験あり」や「HTML・CSSが使える」など、具体的なスキルも歓迎されます。履歴書では簡潔に、職務経歴書では詳細に書き分けるのがポイントです。
「このスキルを活かしたい」という姿勢を文章でも示すと、説得力が増します。
志望動機で成長意欲と適性を示すコツ
志望動機は、第二新卒にとって最も重要なアピールポイントです。経験が浅いからこそ「なぜこの会社なのか」「どんな成長を目指しているか」を言葉でしっかり伝える必要があります。
PREP法(結論→理由→具体例→再結論)を使うと構成しやすくなります。
例文:
御社を志望する理由は、自分の強みである「傾聴力」を活かして、お客様の課題解決に貢献したいと考えたからです。 前職の営業職では、お客様のニーズを丁寧に聞き出す姿勢が評価され、目標達成率も高く推移していました。 御社の提案型営業スタイルは、自分の成長方向と一致しており、より深い信頼関係を築く営業に挑戦したいと考えております。
大切なのは、「入社したい」という気持ちだけでなく、「自分が会社にどう貢献できるか」を伝えることです。
自己PRで前職経験を具体的に伝える書き方
第二新卒でも、在職中の経験や成果は立派な自己PR材料です。短期間であっても「何を任され、どう工夫したか」を書くことで、主体性や行動力をアピールできます。
- 業務内容だけでなく、自分が意識して取り組んだ姿勢も記載
- 数字で成果を伝えると説得力が増す(例:◯ヶ月で受注率120%達成)
- 困難をどう乗り越えたか、PDCAを回した経験なども有効
未経験分野に転職する場合でも、「過去の経験をどう活かすか」という視点で組み立てましょう。「まだ浅いけど、将来が楽しみ」と思ってもらえる内容が理想です。
本人希望記入欄・退職理由の記載ポイント
本人希望欄は、希望勤務地や勤務時間、待遇などについて補足できる項目です。しかし、自由に書けるからといって過度な希望を並べると、マイナス印象につながるおそれもあります。
基本的には「貴社の規定に従います」と記載するのが無難です。やむを得ず希望を書く場合も、理由と譲歩の姿勢を添えるようにしましょう。
例文:
特段の希望はございません。貴社の規定に従います。 (または)勤務地は〇〇地域を希望いたしますが、貴社のご都合に応じます。
退職理由については、履歴書では「一身上の都合により退職」と簡潔に書き、詳細は志望動機や面接時に伝えるのが基本です。
- 履歴書では詳細に触れすぎない
- 面接や職務経歴書で「前向きな理由」に言い換える
- 人間関係・労働環境などの不満は書かない
「キャリアアップのため」「より自分に合った環境で成長したい」という前向きな表現に変えるだけで、印象は大きく変わります。
職務経歴書の作成ポイント
職務要約と実績の効果的な見せ方
職務経歴書では、冒頭に「職務要約」を記載するのが一般的です。ここでは自分の経験やスキルをコンパクトにまとめ、採用担当者に全体像を伝えましょう。
その後、具体的な職務内容や実績を時系列またはプロジェクトごとに分けて記載します。数字や成果を交えることで、印象的なアピールが可能になります。
職務要約の例:
大学卒業後、〇〇株式会社にて法人営業職として1年2ヶ月勤務。主に中小企業向けにITソリューションの提案営業を担当し、月間平均120%の売上目標を達成。丁寧なヒアリングと課題解決提案を強みとしています。
このように、数字・スキル・実績を簡潔にまとめることが効果的です。
職歴が浅い場合のカバー術と例文
第二新卒で「数ヶ月しか働いていない」「短期離職になってしまった」という方も、自己表現次第で印象を変えることは可能です。
- 在職中に学んだスキルや気づきに焦点を当てる
- 離職理由はポジティブな言い回しに変換する
- 「すぐ辞めた人」ではなく「経験から学び行動する人」をアピール
例文:
短い期間でしたが、営業職として顧客対応や提案資料作成の経験を通じて、コミュニケーション力とPDCAの重要性を実感しました。この経験を次の職場でさらに磨きたいと考えております。
「辞めた理由」より「何を学び、次にどう活かしたいか」を重視することが、好印象につながります。
職種別サンプル(営業・IT・事務など)
職務経歴書の書き方は、職種によってポイントが異なります。以下に代表的な職種別の書き方例を簡単に紹介します。
- 営業職:売上・件数など具体的な数字を記載。課題解決力も評価されやすい
- IT職:使用ツール・言語、担当フェーズ、チーム規模など技術的な情報を詳しく
- 事務職:業務の正確さや効率化の取り組み、ツール活用(Excel関数・VLOOKUPなど)を盛り込む
職務経歴書に正解はありませんが、読み手を意識した構成と具体性があることで、説得力は格段に増します。
履歴書作成時の注意点とNG例
手書きとPC作成それぞれのメリット・デメリット
履歴書を手書きにするか、PCで作成するかは応募先の文化や求められるフォーマル度に応じて選びましょう。どちらにも一長一短があります。
- 手書き:丁寧さや誠意が伝わるが、書き直しに手間がかかる
- PC作成:読みやすく、ミスが少ないが、やや機械的に見られる可能性も
一般的な企業や転職市場では、PC作成が主流となっています。ただし、老舗企業や接客業など「人柄」重視の業界では、手書きを好まれる場合もあります。
「手書きとPC、どちらが正解か?」ではなく、「相手企業に合った形式を選ぶ」ことが成功のポイントです。
書類送付・PDF提出時のマナー
履歴書をメールで送付する場合、PDF形式で添付するのが一般的です。ファイル名や添付時のマナーに注意し、丁寧さを保ちましょう。
- ファイル名は「履歴書_山田太郎.pdf」など分かりやすく
- パスワード付きPDFが必要な場合は、別メールでパスワードを送る
- 送信前にファイルが正しく開けるか、自分でも確認する
メール本文にも「ご確認のほど、よろしくお願いいたします」など、ビジネスマナーを意識した文面を心がけると好印象です。
「履歴書を送ったつもりがファイルを添付していなかった…」という初歩的なミスも少なくありません。送信前の最終チェックを忘れずに。
よくあるエラーと改善チェックリスト
履歴書でありがちなミスは、ちょっとした不注意から生まれます。以下に代表的なNG例と、改善のためのチェックポイントをまとめました。
- 写真が古く、スーツや髪型が不適切 → 3ヶ月以内に撮影した清潔感のある写真を使用
- 誤字脱字がある → 作成後に音読や第三者チェックを取り入れる
- 空欄が多すぎる → 自己PRや志望動機欄は丁寧に埋める
- 使い回しの志望動機 → 企業ごとの内容にカスタマイズする
履歴書は「量より質」です。すべての欄をしっかりと埋めようとせず、「伝えるべきポイントに集中する」ことが、読み手に伝わる書類づくりのコツです。
よくある質問Q&A
退職理由はどこまで書くべきか
履歴書には「一身上の都合により退職」と簡潔に書くのが一般的です。詳しい理由は職務経歴書または面接で伝える方が、文脈や熱意が伝わりやすくなります。
職務経歴書では、「より専門的な業務に挑戦したいと考え転職を決意」など、前向きな姿勢が伝わる表現を選びましょう。ネガティブな本音がある場合も、言い回しに注意して、成長志向やキャリア志向に変換することが大切です。
アルバイト経験は書いた方が良いか
新卒に近い第二新卒の場合、職歴が少ないケースではアルバイト経験を補足的に記載するのは有効です。ただし、職務経歴書ではなく、履歴書の「その他特記事項」や自己PR欄で触れるのが自然です。
接客・営業など、志望職種に関係のある内容であれば、具体的なエピソードを交えることで、積極性や人柄が伝わりやすくなります。
英文履歴書は必要か
外資系企業や英語使用が前提の求人に応募する場合は、英文履歴書(Resume)が必要です。通常は、和文の履歴書・職務経歴書と併せて提出します。
英文履歴書は「職務要約」「スキル」「実績」をシンプルかつ論理的に記載する形式が主流です。形式に不安がある方は、エージェントのサポートを受けると安心です。
日本企業であっても、求人票に「英語力必須」とある場合は提出を求められる可能性があります。
まとめ:履歴書は第二新卒の未来を切り開く武器になる
第二新卒の転職成功には、履歴書の質がカギを握ります。たとえ職歴が浅くても、書き方や表現を工夫することで、採用担当者に「伸びしろ」や「誠実さ」を伝えることができます。
その理由は、履歴書が単なる書類ではなく、「あなた自身を表現するツール」だからです。特に第二新卒は、志望動機や自己PRで熱意や将来性を明確に伝えることが、書類通過率に直結します。
- 履歴書は「人物像」、職務経歴書は「実績とスキル」を伝える役割
- テンプレート選びや書き方のルールを守ることで信頼感がアップ
- 志望動機や自己PRはPREP法で構成すると説得力が増す
- 短い職歴も、学びや成長の姿勢を伝えることでプラス評価に変えられる
- 提出時のマナーや形式にも注意し、印象ダウンを防ぐ
履歴書は、あなたの「これから」を形にするための第一歩です。形式にとらわれず、あなたの個性や強みを丁寧に言葉にして、次のキャリアに向けた自信ある一枚を作成していきましょう。