コンサルタントから事業会社へ転職する方法|成功の7ステップと年収・スキル変化を解説

yoshiharu

「コンサルの仕事にはやりがいがあるけれど、このままでいいのか不安になる…」

「もっと意思決定に関わりたい」「プライベートの時間も確保したい」「自分の手で事業を育てたい」──そんな思いから、事業会社への転職を考えるコンサルタントは少なくありません。

しかし実際には、

  • 年収が下がるのではと心配
  • 自分のスキルが通用するか不安
  • 事業会社の働き方や文化がわからない
  • どうやって企業を選べばいいかわからない

といった悩みを抱える方が多いのではないでしょうか。

この記事では、コンサル出身者が事業会社で活躍するための転職ノウハウを、経験者の事例やステップごとにわかりやすく解説しています。

「コンサル経験を活かしつつ、次のステージへ進みたい」と考えるあなたに、きっと役立つ内容になっています。

Contents
  1. 事業会社とコンサルティングファームの違い
  2. コンサルタントが事業会社へ転職するメリット
  3. 転職で注意すべきデメリット・リスク
  4. 市場動向と求められる人材像(2025年版)
  5. 必要なスキルとアピール方法
  6. 転職成功までのステップ
  7. 年収・待遇の変化とシミュレーション
  8. 転職でよくある失敗事例と対策
  9. 体験談・成功事例
  10. まとめ:事業会社転職でコンサル経験を最大限に活かすには

事業会社とコンサルティングファームの違い

仕事内容・ミッションの比較

まず注目したいのが、「業務の目的と成果の指標」の違いです。

  • コンサルファームは、クライアントの課題を発見し、解決策を提示・実行支援するのが主な役割
  • 事業会社は、自社の製品やサービスを成長させ、継続的な利益を生み出すことがミッション

コンサルタントは多様な業界・企業に関与できる一方で、事業会社では特定の領域に深く関与し、結果に対する責任を持つケースが一般的です。

そのため「提案して終わり」ではなく、「実行して成果を出す」ことが求められるようになります。

これまで培った論理的思考力や課題解決力は活かせる一方で、「現場目線の実行力」や「チーム内調整力」が重要になる点には注意が必要です。

プロジェクト単位と中長期的事業推進の違い

コンサルファームの仕事は、多くの場合「期間が決まったプロジェクト単位」で進みます。

プロジェクトごとに目的・体制・進め方が異なり、数ヶ月で完結することも少なくありません。そのため、常に新しいテーマに取り組むスピード感や、短期間で成果を出すプレッシャーが求められます。

一方で、事業会社では中長期的な目標に向けた「継続的な業務推進」が中心です。

  • 市場ニーズを見極めながら新商品を開発・改善
  • 部門を超えた連携で組織変革を推進
  • 長期的なKPIに基づく戦略の遂行

このように、事業会社では「成果を出すまでのプロセスを継続して自らつくっていく力」が求められます。

「1つのテーマに腰を据えて取り組みたい」「自分の意思で事業を育てたい」と考える方にとって、やりがいのある環境と言えるでしょう。

評価基準と昇進スピードの比較

コンサルティングファームでは、明確な評価制度とスピード感のある昇進ルールが特徴です。

多くのファームでは、年次や役職ごとの期待成果が定量・定性的に定められており、それに基づく成果主義で年に1~2回の昇進機会があります。

一方で、事業会社では評価軸が多面的になりやすく、成果だけでなく「プロセス」「チームへの貢献」「上司・周囲との関係性」といった定性的な側面も重視される傾向があります。

  • コンサル:個人の成果が昇進・年収に直結しやすい
  • 事業会社:評価は複合的で、スピードは緩やかになりがち

もちろん、ベンチャーやスタートアップ企業では裁量が大きく、スピード昇進が可能なケースもあります。

「短期的にキャリアアップしたい」という方には、企業選びの段階で制度面をよく確認することが重要です。

ワークライフバランス・働き方の変化

コンサルティングファームでは、プロジェクトの納期やクライアント対応によって労働時間が不規則になりやすく、特に繁忙期は長時間労働になりがちです。

一方、事業会社では業種や企業文化によって異なりますが、比較的ワークライフバランスが整いやすい傾向があります。

  • 定時帰宅が推奨される企業文化がある
  • リモートワークやフレックス制度の導入が進んでいる
  • 長期視点での健康管理・家族との時間を重視する社員が多い

ただし、大企業の企画部門やベンチャーでは忙しさがコンサル並みというケースもあり、必ずしも「楽になる」とは限りません。

「自分のペースで働きながら、成果も出していきたい」と考えるなら、勤務制度や残業実態のリサーチが欠かせません。

コンサルタントが事業会社へ転職するメリット

経営に近い立場で意思決定に関われる

事業会社への転職の大きな魅力は、経営陣や現場と近い距離で仕事ができる点です。

コンサル時代は「第三者的な立場」から提案や支援を行っていたとしても、事業会社では「当事者として自社の意思決定に関与」するポジションを担います。

  • 経営企画や事業開発部門で社長直下のプロジェクトを担当
  • M&Aや新規投資の意思決定に携わる
  • 役員会・経営会議にレポーティング・発言の機会がある

自らの提案がすぐに実行され、成果に直結するスピード感と責任感を味わえるのが、コンサルからの転職者にとってやりがいとなるポイントです。

中長期の事業成長に携われる達成感

プロジェクト単位で短期的な成果を求められるコンサルとは異なり、事業会社では長期的に1つのプロダクトやサービスの成長を見守りながら推進できます。

特に新規事業やグロースフェーズに関わるポジションでは、自身の意思や施策が中長期的な業績やブランド価値に影響を与える場面も。

「売上が上がった」「ユーザーの反応が良くなった」など、地道な努力が数字として見えることで、達成感と実感を得られる機会が多くなります。

プロセスと結果の両方に責任を持ちながら、長期視点でキャリアを築けるのが事業会社の魅力です。

ワークライフバランスが改善しやすい

事業会社に転職することで、多くのコンサル出身者が「生活の質が上がった」と感じています。

これは、業務量のコントロールがしやすくなることに加え、会社全体として「長時間労働を前提としない文化」が根付いているためです。

  • 有給取得率が高く、休みが取りやすい
  • 深夜対応・休日対応が基本的に少ない
  • 育児・介護制度などの福利厚生が整っている

もちろん、ベンチャー企業や事業の繁忙期では忙しい日もありますが、業務の予測性と調整のしやすさという点で「精神的な余裕」を持てるケースが多く見られます。

「平日の夜に自分の時間を確保したい」「家族との時間も大切にしたい」といったライフスタイルを重視したい方には、大きなメリットとなるでしょう。

報酬体系の多様化(ストックオプション等)

年収の額面だけでなく、報酬の「構成」や「将来性」という観点でも、事業会社ならではの魅力があります。

特にスタートアップやメガベンチャーでは、給与以外に次のようなインセンティブが導入されていることもあります。

  • ストックオプション(株式報酬)による資産形成の機会
  • 業績連動型のボーナス制度
  • 役職手当・ミッション手当などの複合的な給与設計

これらは企業の成長性と密接にリンクしており、「会社と一緒に大きくなる」ことが実感できる仕組みです。

一方で、固定給の安定性を重視する方には向かない場合もあるため、転職先のフェーズや報酬方針を事前に確認することが大切です。

転職で注意すべきデメリット・リスク

年収ダウン・報酬体系の違い

コンサルから事業会社への転職では、特に気になるのが「年収が下がるのではないか?」という懸念です。

実際、ファームでの報酬は高水準であるため、事業会社に転職すると一時的に年収が下がるケースも珍しくありません。

  • 固定給が中心となり、ボーナスの比重が減少
  • 残業代がつかない管理職扱いになる場合もある
  • 報酬よりも職務内容や裁量重視の企業が多い

ただし、ストックオプションや成果報酬制度を設ける企業では、数年後に逆転する例もあります。

短期的な報酬よりも「中長期の成長・裁量・経験値」を重視する姿勢が求められます。

専門外実務への適応コスト

コンサルタントとして積み上げてきたスキルが、そのまま活かせるとは限りません。

事業会社では、より幅広い業務に携わる必要があるため、自分の専門外の領域への理解や実行が求められます。

たとえば、経営企画に配属されたとしても、

  • IR・予算管理・子会社連携といった細かい実務
  • 社内調整・調整資料の作成などの非戦略業務

など、地道で泥臭いタスクもこなす必要があります。

「戦略的な業務だけでなく、手を動かす実務への覚悟があるか?」を転職前に確認することが重要です。

組織文化・意思決定プロセスへのギャップ

コンサルファームは、フラットで成果主義的な文化が特徴です。

一方で、事業会社では上下関係や年功序列、根回し文化など、独自の意思決定プロセスが存在します。

  • 提案が通るまでに複数階層の承認が必要
  • 非公式のコミュニケーション(飲み会・雑談)が重視される
  • 明文化されていない“社内ルール”が多数存在

こうした文化的ギャップに戸惑い、やりづらさを感じる人も少なくありません。

カルチャーフィットを確認するには、面接時の現場社員との会話や、OBOG訪問が大いに役立ちます。

キャリアパスの見通しが不明確

コンサルティングファームでは、昇進ルートがある程度明確に示されていることが一般的です。

対して事業会社では、同じ部署内での昇進に時間がかかったり、異動やローテーションが多く、将来の方向性が読みづらいこともあります。

特に以下のようなケースは、慎重に見極める必要があります。

  • 新設部署・新規事業など、組織としての整備が不十分な場合
  • ジョブローテーションで専門性が深まりにくい組織風土

入社後に迷走しないためにも、転職前に「中長期のキャリアビジョン」と企業の育成方針が合っているかを確認しましょう。

市場動向と求められる人材像(2025年版)

求人が増えている業界・職種 TOP3

2025年現在、事業会社への転職市場では、特に以下の3つの領域でコンサル経験者へのニーズが高まっています。

  • DX・デジタル戦略領域(業種問わず)
  • スタートアップ・SaaS系ベンチャーの経営企画・事業開発
  • 製造業・物流業界におけるサプライチェーン改革・業務改善

これらの業界は、構造変革や競争力強化のため、外部からの知見や戦略的思考を求めています。

特に「戦略を実行に移せる人材」への期待は年々高まっており、コンサル経験者の価値がますます高まっています。

スタートアップと大手事業会社の選択ポイント

事業会社と言っても、そのフェーズによって働き方や期待される役割が大きく異なります。

スタートアップでは、少人数体制で裁量が大きく、スピード感と柔軟性が求められます。反対に、大手企業は制度や体制が整っており、安定感とリソースの豊富さが魅力です。

どちらを選ぶべきかは、「自分が何を重視するか」によって変わります。

たとえば、「短期間で事業を動かしたい」ならスタートアップ、「長期で専門性を深めたい」なら大手というように、志向やライフステージに応じた判断が重要です。

DX・デジタル戦略人材へのニーズ

2025年の転職市場で最も熱いキーワードが「DX(デジタルトランスフォーメーション)」です。

  • 全社レベルでの業務改革プロジェクトの推進
  • データを活用したマーケティング・オペレーション改善
  • エンジニアリングやプロダクトマネジメントとの連携

こうしたプロジェクトにおいて、コンサル経験者は「構想力+実行力」を兼ね備えた人材として重宝されます。

IT企業だけでなく、金融・小売・製造などの伝統産業でもニーズが急増している点に注目です。

求められるソフトスキルとマインドセット

スキルセットと並んで重要なのが「ソフトスキル」と「マインドセット」です。

具体的には、以下のような能力が高く評価されます。

  • 社内外のステークホルダーとの円滑な調整力
  • 現場の理解と共感をベースにした巻き込み力
  • 変化を前向きに捉える柔軟性と適応力

コンサル的な論理性や推進力に加え、「共に創る姿勢」があるかどうかが転職後の活躍を大きく左右します。

必要なスキルとアピール方法

戦略立案・課題解決スキルの実務活用

コンサル時代に培った「戦略立案力」「課題解決力」は、事業会社でも間違いなく活かせる武器です。

ただし、求められるのは「提案力」よりも「実行力」。現場で施策を動かし、社内の関係者と調整しながら着地させる力が重視されます。

たとえば、ある戦略コンサル出身者は、企画部門に転職後、「上司や現場の目線を理解してから資料を作る」ことを意識するようになり、提案の採用率が格段に上がったといいます。

このように、戦略と現場の間をつなぐ「翻訳力」もまた、実務での応用力として求められているのです。

データ分析・DX推進スキルの重要性

昨今の事業会社では、意思決定の質を高めるために「データに基づいた判断」が常識になりつつあります。

  • BIツールを使ってKPIを可視化し、定期的にレポートする
  • SQLでのデータ抽出や分析を通じて、課題の根拠を提示
  • DX推進プロジェクトで、IT部門と連携しながら業務改善を実行

「分析ができる」だけでなく、「分析結果をどうビジネスに落とし込むか」がカギです。これは多くのコンサル経験者にとって、転職後に強く評価されるポイントとなっています。

ステークホルダー管理・コミュニケーション術

プロジェクトの成功には、「誰と、どう巻き込んでいくか」という視点が欠かせません。

事業会社では、上下左右の多様な関係者とのコミュニケーションが求められます。特に、部署間の利害調整や現場との信頼関係の構築は、想像以上に時間がかかるものです。

このような環境では、コンサル的なロジックだけでなく、「相手の立場を理解し、対話で動かす力」が問われます。

「どれだけ相手の視点で語れるか」こそが、変革を実現する上での最大の突破口になるのです。

職務経歴書・ポートフォリオでの示し方

転職活動でライバルと差をつけるためには、「職務経歴書」の質がカギを握ります。

  • 成果を数字で明示する(例:コスト削減率20%)
  • 自身の役割や行動を具体的に記述
  • ポートフォリオがある場合は、プロジェクト資料などで補強

ただの“やってきたこと”ではなく、「どんな状況で、何を考え、どう動いたか」を一貫して伝えることが、評価者の共感を得る最大のポイントです。

転職成功までのステップ

自己分析とキャリアビジョンの言語化

コンサルから事業会社へ転職する際、最初に行うべきなのが「自分の軸」を明確にすることです。

何をやりたいのか、どんな環境で働きたいのか、5年後・10年後どうなっていたいのか──。

これらを言語化することで、企業選びや面接対策に一貫性が生まれます。

たとえば、「事業責任を持つポジションで、0→1の立ち上げに関わりたい」など、やりたいことを具体的に表現できれば、企業側の評価も上がります。

抽象的な表現ではなく、経験に基づいた言葉で語れるかがポイントです。

情報収集・求人リサーチの効率的な方法

求人は膨大にあるため、「自分に合った企業」を絞り込むための情報収集が必要です。

  • 転職エージェント経由で非公開求人を紹介してもらう
  • OBOG訪問やnote・X(旧Twitter)でリアルな企業文化を知る
  • IR資料やプレスリリースで経営方針や組織課題を把握する

単に「知名度」や「待遇」で選ぶのではなく、「どんな課題があり、そこにどう貢献できるか」の視点で企業を見極めましょう。

書類選考を突破するポイント

コンサル出身者は書類選考を通過しやすいと思われがちですが、「再現性の高さ」を伝えられなければ、通過率は一気に下がります。

以下の点を意識することで、書類の質を高められます。

  • 成果の背景と課題、アプローチ、結果の流れをストーリー化
  • “自分だからこそできた”工夫や判断を明記
  • 事業会社目線で「どう再現できるか」を具体化する

また、志望動機は「企業理念への共感」だけでなく、「自分の経験がどう貢献できるか」の視点で構成することが重要です。

面接で評価される回答事例

面接では、思考力や論理性よりも「実行力」と「協働力」が見られる傾向があります。

たとえば、「難しい上司を説得して社内合意を得た経験」「現場との対話から仕様を見直したエピソード」などは非常に好印象です。

ポイントは、「相手をどう理解し、どう動かしたか」を自分の言葉で語ること。

また、「入社後に何をしたいか」を具体的に語れると、内定率が高まります。

オファー条件交渉と入社前準備

オファー面談では、年収や職位に加え、業務内容・配属部署・評価制度の確認が大切です。

  • 想定されるミッションとKPIの明確化
  • 評価のタイミングや査定方法
  • 副業やリモート制度など働き方に関する規定

また、入社前には「社内用語」「業界動向」「組織構造」を調べ、即戦力としての期待に応えられるよう準備しておきましょう。

年収・待遇の変化とシミュレーション

コンサルファームと事業会社の年収レンジ比較

コンサルファームでは、年次に応じた明確な給与テーブルがある一方、事業会社は業界や企業規模によって大きく異なります。

  • 戦略ファーム(30代前半):1,200〜1,800万円
  • 大手事業会社(同年代):800〜1,200万円
  • スタートアップ:600〜1,000万円+SO(ストックオプション)

年収だけを見ると「下がる」印象を受けますが、役割や裁量、将来的な報酬上昇余地まで含めて評価する必要があります。

特にSO制度があるスタートアップでは、エクイティ含めたトータルリターンで逆転する例もあります。

キャリア別(20代・30代・40代)の事例

転職タイミングによって、年収の影響やポジションの広がり方にも違いが出ます。

たとえば20代後半なら、ポテンシャル採用で育成前提のポジションが多く、給与もやや控えめです。

30代では、即戦力として中核メンバーに抜擢される可能性もあり、条件交渉次第で報酬も伸ばせます。

40代であれば、部長職・CxOなどのエグゼクティブ層を狙う形となり、マネジメント経験や業界知見の深さが重要になります。

株式報酬・賞与・福利厚生の違い

事業会社では、現金報酬以外にもさまざまな報酬制度が存在します。

  • SO(ストックオプション)・RSU(譲渡制限付株式)
  • 業績連動賞与(年2回+期末など)
  • 住宅補助・家族手当・持株会・退職金制度

総合的に見ると、特に福利厚生面では事業会社の方が充実しているケースも多く、家族を持つタイミングでの転職には安心材料となります。

年収アップを狙う交渉術

事業会社は、コンサルファームのような一律の給与体系ではない分、条件交渉の余地があります。

交渉の際は、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

  • 「自分がどう業績に貢献できるか」を数値で示す
  • 過去実績と市場価値の客観的な根拠(年収相場、他社オファー)を提示
  • 現年収・希望年収の差を説明する際は柔らかい表現で

また、「将来的にパフォーマンス次第で報酬を見直せる仕組みがあるか」など、中長期視点での条件確認も忘れずに。

転職でよくある失敗事例と対策

ポジションミスマッチによる早期退職

「経営企画に転職したのに、実際は予算管理と資料作成ばかりだった」など、入社前のイメージと実際の業務内容が乖離していると、早期退職につながるリスクがあります。

このようなミスマッチを防ぐには、面接時に具体的な業務内容・一日のスケジュール・上司のスタイルまで確認することが大切です。

できれば、現場社員との面談機会をもらい、リアルな声を聞くのがおすすめです。

企業文化への適応不足

成果主義でフラットな環境に慣れていたコンサル出身者が、年功序列や根回し文化の強い事業会社に入ると、違和感を感じるケースがあります。

  • 決定プロセスに時間がかかる
  • 物事が「人ベース」で進む
  • 「空気を読む」暗黙のルールがある

カルチャーフィットを見極めるためには、複数社員とのカジュアル面談や、SNSでの発信内容から企業の価値観を読み取る工夫も効果的です。

期待値ギャップを防ぐリサーチ不足

「自由にチャレンジできる環境」と言われて入社したのに、実際は権限が少なく、上長の承認が必要な体制だった──。

こうした期待値ギャップは、事前のリサーチ不足から生じます。

求人情報や面接だけでなく、OBOG訪問・口コミサイト・IR資料など、複数ソースから情報を得て「裏取り」する姿勢が重要です。

スキル成長が停滞するケース

事業会社では、担当業務が固定化されやすく、「裁量が少ない」「新しいスキルが得られない」と感じるケースもあります。

  • 日常業務がルーチン化してしまう
  • 新規施策が社内政治で止まりやすい
  • 挑戦する風土が根付いていない

こうした環境でも成長し続けるには、「自ら手を挙げてプロジェクトを獲得する」「社外で学びを継続する」など、能動的な姿勢が求められます。

体験談・成功事例

30歳コンサル→大手事業会社企画職のケース

外資系戦略ファームで5年勤務したAさんは、30歳のときに大手メーカーの経営企画部門に転職しました。

コンサル時代はハードな働き方と成果へのプレッシャーにやりがいを感じながらも、「一社の中で事業を育てる経験をしたい」と考えるようになったことが転職の動機でした。

入社後は、M&A後の統合作業や中期経営計画の策定を主導し、「自分の判断が組織を動かすダイナミズム」に強い充実感を感じているそうです。

5年目戦略コンサル→メガベンチャー経営企画のケース

Bさんは、戦略系コンサルティングファームから、急成長中のITベンチャーに転職しました。

「自分が提案した戦略を、実際に手を動かして実行したい」という思いがきっかけでした。

  • プロダクトのグロース戦略立案・実行
  • 予算策定とKPI設計、ボード報告
  • 事業責任者との週次1on1で意思決定支援

1年後には子会社のCFOに抜擢され、裁量の大きさとスピード感に魅力を感じているとのことです。

外資系コンサル→日系メーカー事業開発のケース

Cさんは外資コンサルから、老舗日系メーカーの新規事業開発部門に転職。

「デジタル化の遅れに課題を感じ、自分が現場で変革を起こしたい」と考えての決断でした。

最初はカルチャーの違いに苦戦したものの、半年後にはプロジェクトマネージャーとして新規サービスのローンチに成功。

「変化に時間はかかるが、自分の意志で物事を動かせるやりがいは大きい」と話します。

コンサル出身者が活躍する共通ポイント

複数の事例から見えてくる、コンサル出身者の活躍要因には共通点があります。

  • 戦略思考と実行力のバランスが取れている
  • 社内調整や根回しを厭わず、柔軟に対応できる
  • 短期的な成果よりも、中長期で成果を追えるマインドがある

「戦略を描く力」+「現場に寄り添う力」が両立している人ほど、事業会社での活躍領域は広がる傾向にあります。

まとめ:事業会社転職でコンサル経験を最大限に活かすには

コンサルから事業会社への転職は、「戦略的思考力を武器に、より実行に近い現場で成果を出したい」と考える方にとって、大きなチャンスです。

実際に多くの成功事例が示すように、適切な企業選びと事前準備を行えば、キャリアの幅は大きく広がります。

  • コンサルと事業会社ではミッションや評価軸に大きな違いがある
  • DXや経営企画など、コンサル出身者にマッチする領域は拡大中
  • スキルの棚卸しと再現性のアピールが転職成功のカギ
  • 面接では「実行力」「共感力」「協働力」が重視される
  • 年収や待遇は中長期視点で総合的に判断するのが重要

転職を通じて、「戦略を考えるだけでなく、自ら動かして成果を出す」経験は、今後のキャリアを一段と豊かなものにしてくれます。

ぜひ本記事の内容を参考に、あなた自身のキャリアにとって最適な一歩を踏み出してみてください。

ABOUT US
転職ポータル 編集部
転職ポータル 編集部
キャリアアドバイザー / ライター
「誰もが納得のいくキャリアを実現する」を目指して活動する転職情報の専門チーム。

・転職ってよくわからない
・転職したいけど、上手くいくか不安
そんな方でもキャリアUPができる転職情報をお届けします。
記事URLをコピーしました